好かれない私
- Izumi Takiguchi
- 3 日前
- 読了時間: 10分

(↑どれだけ内脂肪があるかをチェックする恐ろしい機械を使っているところ)
自分のことを好きじゃないだろうなっていう人には多かれ少なかれ
人生のどこかのタイミングで出くわすことがある気がする。
その好かれないというところに自分のホルモンがざわつく。
なぜなら人間は、「属したい」性質を持っているから
属せないということがとても耐え難く感じるのだと思う。
属するというのは、馴染みがない言葉かもしれない。
属するというのは、誰かのグループに居心地よく入っていられるということである。
誰かに受け入れてもらえる自分であるという意味でもある。
グループでいたり誰かと一緒にいて居心地が悪い時、
私たちはとても不安に駆られる。
そして自分を疑いだす。
「どんなに頑張っても私はグループの子たちから好かれないんです」
そう言っている22歳の女性のセッションについて
「今日は何についてワークをしますか?と聞いたときに
こう話してくれた。
I Hのセッションをスタートする前に私はどういうことかを彼女に詳しく聞いた。
「誰に好かれないの?」
「一緒にいる友達のグループです」
「その子たちといて楽しいの?」
「楽しいっていうか、仲間はずれにされるのが嫌なんです」
「FOMOだったりする?」
「ホモですか?」
「あ、ホモじゃなくて、FOMO
Fear of missing Out のこと。
みんなが知っているのに自分だけ知らないということに恐怖を感じるっていうやつ」
「はい。自分だけが、のけものにされるのは辛いです」
そう彼女はセッションがスタートする前から
本当に辛そうでさめざめと泣いていた。
私の話になるが
興味深いことに、数年に一度
「Izumiさんのことが大嫌いです」
という人に出くわすことがある。
最近では減ったけど、それでもまだあるだろうし、
これからもそれが無くなることはないのだとも思ってもいる。
彼女の様子を見ながら、私は伝えた。
「私もね、中学生の時、1人の女の子が私のことを嫌いなのを身体中で感じていた。
思春期の私は、彼女に好かれようと思って色々と試みたと思う。
彼女が好きそうな鉛筆を渡してみたり、彼女が喜ぶような声がけをしてみたり、彼女が興味を引くような話題をしてみたり、彼女が笑い転げるような冗談を言ってみたり。
ありとあらゆる方法を使って、彼女に気に入られるようと頑張っていた思い出があるよ。
なぜなら、私は彼女のことが大好きだったから。
お友達になりたいと心から思っていたんだよねえ。
でも、彼女は何をやっても私のことを好きじゃない感がむんむんに伝わってくる。
あれ、本当にしんどいのよね」
さっきまで泣いていた彼女はうんうんと頷きながら聞いていた。
「私が喜ぶようなことを彼女にしたら、私のことを好きになってくれるんじゃないの?
私に対してのコール&リスポンスがあってもいいんじゃないの?
笑顔をあげたら笑顔が返ってくる、
人間関係ってそういうもんじゃないの?
そう激しく思って自問自答していたなあ」
そう、あの時の思春期の私は、
あの友達の顔を私に向けて、ちゃんと私をみて!そしたら、私がどれだけ一緒にいたら面白くて楽しくていい人かわかるから!という妄想に駆られていた。
どれだけ好かれようと頑張っても、
結局なぜ彼女が私のことを嫌いなのかよくわからなかった。
とにかくなす術がなかった時の徒労感を思い出しながら
私は彼女に伝えた。
「それで、イズミさんはどうしたんですか?」
「うーん、心が痛くて穴が空いて、自分を責めてばかりいたかなあ。
もっと私が男子に人気があればよかったのかな
とか
もっと私がオシャレさんだったらよかったのかな
とか」
「私もいつも自分がもっと可愛くしていたら、みんなにしっくり受け入れてもらえるのかなって感じています。でもイズミさんは今は違うんですか?」
「あ、大人になってからもね、あったの。
ずっと私は何も悪いことはしていないのに、なんなの?!!って憤慨していたの。
でね、
ある日、その人を呼び出してさ、なんでそんなに私のことが嫌いなの?って聞いたら、
なんかよくわからないけど大嫌いなのって言われてね
なんかびっくりしちゃったのよ。
理由ないんかい!って」
「え、やばくないですか、その人」
「でもそんなことあるじゃんね。
このお花は好きだけど、このお花はなんとなく嫌いとか
この犬は好きだけど、この犬の顔は好きになれないとか」
「まあ確かに。
でも、理由もなく嫌われるってやっぱりひどいです」
「このI Hの創始者のマチルダがね、私に言ったことがあって。
私は誰からの愛を受け取るにもオープンだけど、中には私に
愛をあげたくないっていう人もいるわ。
そういう方には思うの。
あなたは大きな愛の爆弾(自分を指差して)を見過ごしてしまったのねって
残念だわって」
「えーすごい自信家」
「自信でもあるかもしれないけど、私は賢者だなって思ったの。
自分のエネルギーと時間をどう費やすかを自分が決めることができて、
それにおいて誰が悪いとかでもなく残念だわって思えるって平和だなって」
「誰も悪くない、なんですね。
誰も悪くないって出来にくいです。私の場合、自分を責めてしまうから」
「ちょっと雑談が過ぎちゃったけど、今日は何についてセッションをするんでしたっけ?」
「いや、なんか今話をしていて、イズミさんが言ったFOMOがずっと気になっていて、それかなあ」
そして、彼女のセッションはFOMOで進んでいきました。
「見逃すことへの恐れについてですけど、
何を見逃すことがMさんにとっては恐怖なんですか?」
「みんなが飛びつている話題についていけない とか
みんなが持っているものを私だけ持っていない とか
なんだろう、自分だけはじかれる怖さです」
「なるほど。それによって本当に見過ごしてしまうことってなんですか?」
「本当に見過ごしてしまうこと?」
「はい」
「みんなと過ごす時間かなあ。みんなと笑う時間とか」
「じゃあ、みんなが飛びついてる話題についていけて みんなが持っているものを持っていたら、
心から笑って心から幸せを感じるってことのために、見過ごすことが怖いっていうことであっていますか?」
「いや、そう言われると違います。
あ、今回は話題についていけた。今回はみんなと同じものを持っていてよかった。
みんな、私のことをこれで仲間だと思ってくれる?ッていう風に考えているから
心から幸せかと言われると違う気がします」
「じゃあ、本当はどうなっていたいですか?」
「本心を言っていいなら、
話題とか持ち物とかずっと心配しているのをやめたいです」
「やめたらどんな気持ちになりますか?」
「うーんやめたら、楽になるかな。でも友達がいなくなっちゃいますよね」
「では、その何かを一緒に持っていなくちゃって気持ちをやめても友達でいてくれる人がいたらどうですか?」
「え、それは考えていなかったです」
「自分が好きなものを持って、好きな話題をして、そこに興味関心を持ってくれる友達。そして、その友達が好きなものを持って、好きな話題をして、あなたが興味関心を持っている友人関係はどうですか?」
「すごく楽です」
「一緒のものを持っているから友達って、なんか中学生の時のミサンガ的な感じなのかな?」
「ミサンガってなんですか?」
「ほら、オーレーオレオレオレーのやつよ」
「うーん、よくわからないですけど、ミサンガっていう歌ですか?」
「ミサンガっていうなんかギザギザした腕とか足に巻くやつよ」
「へー、じゃあオレオレ言ってたのはなんですか?」
「サッカーの選手がってことよ」
「ますます分からないんですけど。オレオレっていう名前のサッカー選手がいたんですか?」
「全然違うの。
ジーコとかはいたけど、オレオレなんて名前の選手は私が知ってる限りいない。
あれ?いたのかな?いや、世界のどこかにはそんな名前の方がいらっしゃるかもしれないけど、少なくとも私の知ってるサッカー選手では、聞いたことはなくて
えっとそういうことじゃなくて、
あのね、ミサンガっていうのをサッカーの選手がつけてて、私が中学生の時には刺繍かなんかの糸で作ってさ、それを腕とか足に巻いて、それが切れたら願い事が叶うとか言って、サッカー部の男の子とかにあげたり、友達同士であげあったりしたやつよ」
「あ、フレンドシップ・ブレスレットですか?」
「あ、今どきの子はそういうの?まあ、どの時代も変わらないわね」
「でも、オレオレは、言わないです笑」
「オレオレじゃなくて、オーレーオレオレオレね。ブレストの長さも、数も違っているから」
「なんか色々違いますね」
「ま、この違いって面白いのよね〜」
「あ、なんか分かったかも。
私がIzumiさんのところに来たのって、なんか面白いことをやっているなって思ってたんですよ。
自分が思いもしないことを知っているっていうか、やっているっていうか。
その私が知らないことに対して興味があって。
だからもしも私が既に知ってていて私もイズミさんも同じ世界しか見ていなかったら、
そもそもイズミさんに興味を持たなかったかも」
「その違いが、MちゃんにとってはFOMOとどう関係があるの?」
「うーん、一緒じゃないこと、そうか、違っていることに恐怖を感じる友人関係ではなくて、違っていることを許容して楽しめる友人関係があったら本当は嬉しいかもしれない」
そしてMさんの潜在意識は
「自分との違いも楽しめる友人関係をもつ」ことが彼女のゴールになりました。
セッションが終わった後Mさんは後日
「イズミさん、先日はセッションをありがとうございました。
あの後、ゴールの言葉について考えていたんですけど、
自分との違いもって、『も』にした理由がわかりました。
実は私はKing Gnuが好きなんです。
あの日に話していた友達は、King Gnuが好きではなくて別のアーティストを好んでいて、私は言えないでいたんです。隠していたっていうか。
まあみんなが好きだって言ってたアーティストも嫌いじゃないし、
流行っていたし。
でも、King Gnuを好きだっていう人と一緒にいたいなって思って。
自分が好きなことを好きって言えて、その上でその好きが一緒だったら楽しいし、
他の違う点も興味深く楽しめる友達がいたら最高ですよね。
だから、『も』なんだ〜!ってなるほどでした。
あの後、グループからフェイドアウトしたんです。
でも誰も何も言ってこないし、私もこれでよかったって思ってて。
多分セッションをしていなかったら、
どうして私が抜けても誰も気にかけてくれないの?って思っていたと思うんです。
で、彼女たちのインスタとかみて、
私が抜けた状態でどこかでみんな楽しんでいるんじゃないかと心配したりしてたと思うんですよね。
やばくないですか?こんな私。
でもセッションをしたからか、逆に何も気にされなくてよかったって思っているところがあって。
セッションをやって本当によかったです!」
King Gnuの読み方がわからなくて、
キング・グニュと読んでいた私。
(しかも、その名前を読んでからキング・カズが頭から離れない。)
本当に自分が知らない情報や経験や考え方を持っている人は興味深い。
それぞれ違う個性があるから、この世界は色とりどりになるんだと思う。
っていうか、みなさん、オーレーオレオレオレはわかりますよね?
そうそう。
このMさんのセッションでした Integrated Healing の講習会が11月に行われます。
とても興味深いクラスで、一生自分について理解をして前に進んでいけるセッションができるようになっているので、私にとって宝物のようなヒーリングですし、セッションを誰かにしていくことも出来るようになってすごく人の素晴らしさやパワフルさを感じる機会に恵まれます。
ぜひ参加してみませんか?
詳細はこちら!
モノクロから虹色へ

コメント