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Empowerment Birth

赤ちゃんを産んで1ヶ月半の女性がセッションに来てくれました。

彼女は、自宅出産をする予定で、

助産婦さんを雇い

水中出産など希望を膨らませていました。

胎内記憶で有名な池川先生の本を読み、

自宅出産を推奨する吉村先生の本を読み、

心も自然出産・自宅出産に向けて万全でした。

ところが35週に入って、大量出血が始まり緊急搬送で帝王切開で出産でした。

その帝王切開中、

「下半身は麻酔で力が入らない。

 何をされてるんだろう。

 頭は覚醒してるけど、大丈夫かなぁと不安でいっぱいだった。」

そう彼女は、体験のシェアをしてくれました。

続いて

「旦那ちゃんと赤ちゃんを産む行程を一緒にしたかった。

明るいライトの元だと赤ちゃんがびっくりするからって本に書いてあったから、

暗い明かりの中で出産したかった。

自分が神とつながって、陣痛を感じて赤ちゃんが出てくるのを感じたかった。

旦那さんが出産後

赤ちゃんの呼吸の状態が不安定で処置室へ行ってしまって

薬の副作用で体に震えが止まらなくて、一人で不安だった。」

そんな風に、ポツリポツリと彼女がしたかった出産への想いを話してくれました。

そして、自然出産が叶わなかったのは、、、

「傷を見るとわたしが娘を大きいお腹で追いかけたからだろうか。

 自分でよもぎ蒸しをしたからだろうか。

 何か自分が悪いことをしたに違いない。

 そう頭が持ってかれる。

 傷を見るたびにシンドイ。」

そう理由を探しながら、自分を責めてしまう彼女を見ていて、とても辛かった。

だって、自分が妊娠中なことも手伝って、彼女の気持ちには本当に痛いほどわかるから。

多くの人が言うでしょう。

赤ちゃんが無事で何よりよ。

昔だったら母体とも難しかったかもよ。

出産よりも後の子育ての方が長いのだから、出産なんてその一部よ。

元気づけのために、

新しい視点にフォーカスを向けようとこう言ってくれるのだろう。

そんなのわかってる。

でも、でも、でもね、膣から産みたかった。

その彼女のしたかった気持ちを、ねじ伏せることは、どんな高尚な理論も出来ない。

彼女の想いを聞きながら、

ここから彼女の潜在意識はどこに向かいたくて

今日彼女をこのセッションに連れてきたんだろう。

そう、私は思っていました。

このシンドイ状態に置いておかない。

どこの次元に彼女を連れていくのだろうか。。。。

その次元を決めるために、私は質問をしました。

「傷を見るたびにそんな不安な思いに一生なるのってシンドイね。

 これから傷を見るたびに、どうありたいかな?」

「うーん、傷を見るたびに感謝したいかなあ」

その途端、彼女の筋肉がガクンと大きくうなづいて。。。。

ああ、なんて強いのだろう、この女性は、、、と

そういえた彼女と、それに大きく反応をした潜在意識に畏敬の念を感じました。

「今はそう思えないけど。。。。」

そう言って、溢れてくる涙を腕で覆いながら、お腹が上下に大きく揺れていました。

本当に、理性と本能のせめぎ合いの中にいたのだろう。

これでよかったのだと思おうとする自分と

本当は、こうありたかったと言う自分と。

再び、

感謝という言葉に大きく反応をした彼女の潜在意識に、

わたしは大きく感動を覚えていました。

実は、彼女に感動をしたのは、セッションの中で2回目でした。

「一度目のことを話して良いか?」

そう彼女の体に聞くと大きくイエスと言ったので、彼女に伝えることにしました。

『私ね、さっき凄いなあって思って聞いてたの。

 帝王切開で訳も分からずに手術台に乗って知らない人たちに囲まれて、

 内心はパニックだったと思う。不安でいっぱいじゃない?

 でもさっき、言ったじゃない。

 “ああ、今から自分はこの人達を信じて出産をするんだ。

 この人たちを信じて委ねようって思った”

 って。

 その瞬間に、〇〇ちゃんが、許可をその人たちに下ろしたんだよね。

 その人たちに自分の手となり足となり、赤ちゃんを無事に出すように。

 そしてその人たちが、〇〇ちゃんのために、神の遣いとなってくれたっていうか。

 その許可を意識的におろせたって、凄いことだと思う。

 自分と繋がるってすごく大切なこと。

 ただ、自分だけに信頼を寄せるのではなく、

 他にまでも信頼をして委ねることができるって

 すごく私はエンパワリングな行動だったと思う。」

その瞬間彼女の何かが変わったようでした。

「今のを聞いて、なんか自分の出産に対する見方が変わった!!

 今回の出産に関わった全ての人と繋がって出産できていたんだって、気づいた。」と。

多くの人が「自分」にフォーカスが向いています。

わたしは何者なのか、

わたしの傷を癒そう、

私がどう成長できるか

それって、すごくすごく大切なこと。

ただ「自分」が確立されたら、次のステップは

それを他と共有するところに。

ただ、そこに目が向かないことも多い状況も沢山見てきました。

「自分」の確立の仕方が、自己防衛に走るパターン。

例えば、

他を「敵」として認識してしまったり、

他から自分を防御しないとと思ってみたり。

彼女はちゃんと自分を持った上で、他を自分の味方としてできた出産だったんだ。

なんて自分の力を保ったままの素晴らしく強い出産だったのだろうか。

私自身が出産後、出産について話すという会に参加をしたとき、

私以外の全員が、自分の納得いく出産ではなかったと言って泣いていました。

ドクターの発言、ナースの扱い、麻酔による体の影響など。

「本当に辛かっただろう。」と聞いていて胸が苦しくなりました。

ただ、今回の彼女のセッションを通じて、

もしかしたら、その出産は自分が気づいていないところで

自分の美しさを体験していた出産であったかもしれないのではないか?

そんな風に思うぐらいの、彼女のセッションでした。

今まで、悲しい思いを浮上させた傷だったのが、セッションの後、

傷を見るたびに、彼女は自分のその底力の強さや美しさを思い出すのではないでしょうか。

そんな風に自分の出産を捉えられたら、、、、。

セッションで、彼女の体がマヤ文明腹部マッサージを選んだので

ゆっくりゆっくりと10ヶ月育んで頑張った愛おしい子宮とお腹をマッサージしていきました。

そして、帝王切開の傷には、「ありがとう、ありがとう」

そう心を込めて、傷の癒着が出来る限り緩むように、

時間をかけてマッサージしていきました。

太陽の光がマッサージルームを包み、

私は、すごく神聖な場所にいる気持ちで幸せな気持ちでいっぱいになりました。

赤ちゃんと一緒に寝落ちするときの、呼吸が止まったかと思うほどゆっくりの

シーンとした空間で、彼女の体は力が抜けて、寝息を立てていました。

本当に、お疲れ様。。。。。

そう思って私は、柔らかく愛くるしいお腹をいつまでもゆっくりと撫で続けました。

モノクロから虹色へ

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