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言葉が未来を示唆する


「何言ってんの、ウケるんだけど」

そう言う口癖の彼女(アコ)は長年彼氏がいないと言って悩んでいた。

見た目は可愛らしく行動もハキハキしてて、

よく男性から声をかけられている彼女だが、

彼女いわく

「はじめの3回目ぐらいのデートまでは向こうが一生懸命なんだけど、そのあと何故か毎回去っていくのよね」

と言う結末らしい。

自分が(この人かも)って思った途端に離れていくと言うのだ。

それが1度や2度ではない。毎回だと。

「結婚を迫ったからかしら?」

「カラダを許したからかしら?」

「結局男性は遊びだったのよ」

「この大都会に真剣に交際をする人なんていないのよ」

「私がハキハキしてるから、ビビっちゃうのかしら」

「私がもっと体重を減らした方が良いからかしら?」

「年齢が上だったから?下だったから?同じ年だから?」

「私の料理が上手くないからかしら?」

果てしなく出てくる理由のオンパレード。

5年ぶりに再会した彼女は5年前と同じことを、今日も、言っていた。

5年前と変わったのは

体重が減って痩せて

サロンに行って肌がピチピチで

料理教室に通っていわゆる女を磨いた状態だと言うことだ。

「これで文句は言わせない」

そんな気配すら感じた。

彼女のそんな一生懸命さを私は可愛らしいと思った。

ここまで一生懸命に男性のために尽くせる彼女を、どうして彼らは離れていくのだろうか。

「もう年齢的に時間もないのよ。結婚して子供が欲しいし」

打算的に聞こえるかもしれないが、

女性として

赤ちゃんを授かると言う神がかった経験をしたいと言う本能的なものを感じてるのはとても理解ができた。

彼女にぴったりの男性を。

そう思ってた。

オープンカフェで話をしてると一人の男性が犬を連れて散歩してた。

私の飼ってる犬の匂いがするのか、飼い主がのけぞるくらいの勢いで

犬は私の足元にフガフガ言いながらやってきた。

「やあ、すまないね」

そう言いながら犬をコントロールしようと必死だった彼はとてもチャーミングだ。

ちろりと友人を見ると彼女はニッコリと彼に微笑んでいた。

そんな美しい彼女に彼もまんざらでもなさそうな表情だ。

「ここは若い人たちで」

とお暇をしたい気分だったが

犬がすごい勢いで匂いを嗅いでくるので私が立ち上がると犬も付いてきてしまい

二人を引き裂きそうなので、私はうつむいて犬を撫でることに集中した。

「2人はお友達?姉妹?」

そんなたわいもない話から

「ここのカフェは美味しいのかなあ。いつも散歩で通るけど、食べてみた事はないんだ」

そんな風に話してた。

ニコニコしながら、彼女は彼の話を聞いていた。

雰囲気はバッチリだ。

「ここのすぐ先にある駄菓子屋には通ってるんだけどねえ」

「駄菓子屋?」

「ああ、そこに売ってる野球カードをついつい買っちゃうんだよ」

その瞬間、ニコニコしてた彼女が言った。

「えー野球カード?!超ウケるんですけど!」

そしてケラケラと笑った。

(やってしまった!)

私は背筋が一瞬凍りついた。

そして私は、ゆっくりと、うつむきながらも目を上に向けて彼に表情を見た。

彼の顔が一瞬引きつった。

でもそこはジェントルマンだ。

スッと心のシャッターをおろして、そつなく去る方へとシフトしてる感じだった。

まだ彼女はそれに気づかず、ケラケラ笑ってる。

どこかのデートマニュアルで

「笑顔は女の最大の武器」と書いてあったと

そう言えば彼女は言ってた気がする。

こんなに一生懸命に忠実に男性に彼女なりに寄り添ってるのに、

彼女は一切自分の失点に気づいてないんだ。。。。

彼は話題を変えるかのように私に向かって言った。

「すみません。うちの犬が」

「あ、大丈夫です。うちも犬を飼ってるんで」

「ほら、いい加減にしろ。もういくぞ」

グイとリーシュを引っ張られた犬は、名残惜しそうに彼に引っ張られて帰っていった。

「なーんだ。電話番号でも聞いてくれるかと思った」

そうあっけらかんと彼女が言った。

「ねえ、どうして彼が去ったか、私の見解を言っても良い?」

「なになに?やっぱり犬がしつこくて申し訳なくおもったのかなあ」

どこまでも、楽天的な彼女。

「あのね、男性ってさ、自分の大切にしてる事をシェアしてその反応を見てるんだよ。

 この子は僕が大切にしてるものを一緒に大事にしてくれるかなって。」

「ああ、知ってる。それもデートコーチが言ってた。車にゴミを置いていくなってやつでしょ?」

「あのね、今、アコ、超粗大ゴミ置いてったよ。

彼にとって野球カードって大事なものなのにそれを嘲笑ったでしょ?

 超ウケるって言って。

 すると男性ってこの人は安心して自分が好きなものをシェア出来ないって判断して、

 その人と関わる時間を無駄と感じるんだよ。

 だから、興味がないは、いいにしても見下したらアウトだよー」

彼女の顔がみるみるうちにこわばっていった。

「過去にそれ、何度もやっちゃってたりする?」

ダダダーっと一瞬で過去を振り返った表情の彼女は、泣きそうな顔をして、

「えー何言ってんの、超ウケるんですけど」

と笑顔と声を振り絞って、私に言った。

「ねえ、アコさ、自分が大切にしてるものをバカにしてる?

 だって、5年前と随分かわったけど、口癖はずっとそのままだから」

ボロボロと彼女のバッチリ目元メイクから涙が落ちた。

「私さ、自分をずっとバカにしてる。

 だからそれを打ち消してくれるように、誰かに、自分を大切にしてほしくて。」

「そっか。そこを癒したら、出てくる言葉が変わるから、

 アコに合う人がきっと出てくると思うよ。

 まず自分を癒そっか。。。。

 もうマニュアルもいらないよ。

 アコがアコに対して優しくなったら、きっと外の世界に対しても優しくなれるんだもん。」

「それが、いつもいずみがいってるスピリチュアルワークってこと?」

「そうそう!

 自分を癒して愛していったら、もっと人と深く愛をもって繋がれる。」

「なーんだ透視とか未来がわかったりするのかと思ったよ」

「きっと見えるんじゃない?自分を癒したら、どんな未来にしたいか。

 そのほうが人から予言されるよりずっとパワフルよ」

*物語はフィクションです。

自分が何気なく使っている言葉が、

自分の心の現在の状態を示し、そしてこれからの未来も示してる。

私は、

ある時から褒められたり素敵なことをしてもらったら

「ありがとう」か「Oh,Blessing」というようにした。

神様からのご加護っていう意味だが

褒め言葉をくれた人や素敵なことをしてくれた人に神様のご加護がありますように

とも捉えられるし、

こんな風に扱ってもらえるなんて、神様から私って守られているわー

っていう言葉を発してる感じ。

マチルダがよく使うから真似したら、

本当に神様にいつも私って守られているなあって感じるようになった。

そんなマチルダがインテグレイティッドヒーリングの講習会をしに、

今年もロサンゼルスにやってくる。

きっと沢山の自分を癒し、自分の未来を変え、

自分に力を与えてくれる言葉のシャワーざんまいになるんだろうと感じている。

来年2020年は、サンディエゴで日本語通訳入りの講習会を予定している。

ご興味がある方はぜひご連絡をおくんなまし。

モノクロから虹色へ

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