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一緒に殴りに行こうか

エルトン・ジョンの過去を振り返る「ロケットマン」という映画を見てきた。

その映画を見ながら

ふと思い出したことが一つある。

ある友人の集まりに参加した時のこと。

一人の男性が『僕は依存症を持っているんだ』という。

日本では、

男性がテレビでもアダルトビデオを見るという発言をしているのが当たり前の中、

アメリカでは、アダルトビデオを見るという行為は、セックス依存症になるらしい。

TED talkでも、アダルトビデオがどれぐらい男性の脳細胞の神経を破壊し

人との繋がりを難しくさせてしまうのかという内容を話しているほどだという。

依存症は、

ドラッグ中毒

アルコール中毒

サイバー中毒(携帯電話等ネットから離れられないこと)

など多岐にわたる。

私の友人でセラピストのステファンは、

『男性がこの中毒症になる場合、父性愛がなかったから。

 男性を心から信頼できることで治る。

 本当の男性同士の”友情”が中毒を治す唯一の方法』

という理論で

オフィスでセラピーを行なって成功を収めている。

さて話は元に戻って、その男性はセックス依存症だという。

アダルトビデオをダメだと思いながらも、見てしまうという。

脳神経が破壊されているとか、父性愛が足りないとか

そんな情報はあっても、依存は意志ではないところでカラダが動いてしまうのだと。

それを聞いていた男性Bが言った。

『アダルトビデオを見たら、どんな気持ちになるんだい?』

『深刻なまでのShameだよ。自分のことを恥じて自分のことを大嫌いになるんだ』

『どんな状況で見ているんだい?』

『一人で暗闇の中でみているんだ。そして、見終わった後に自分が憎くなるんだ。

 またやってしまった、、、と。罪悪感で一杯なんだ』

他の男性たちは、その彼の告白を黙って聞いていた。

他の女性達は、少し距離を置いて見ていた。

女性にとっては、やっぱりセックスに依存する男性というのは恐怖なのだろう。

彼の告白したことは、『見守る』という中で、終わろうとしていた。

すると一人の男性が言った。

『君がオッケーなら、僕、君と一緒にアダルトビデオを見るよ。

 一緒に観ようよ。』

言われた本人だけではなく、その部屋にいた全員が『え?』と顔を上げた。

『え?That's weird. (それ変だよ。普通じゃないよ)』

と言う本人に

『一人で観て、罪悪感を感じ、自分のことを憎く思うんだろう?

 じゃあ、二人で見ようぜ。』

テニスの試合を見るかのように、私は二人の男性の顔を交互に見た。

少し考えた後、本人は口を開いた。

『一緒に見てどうするんだよ』

すると、彼が言った。

『僕は、かつて、君が落ちたその穴に落ちてたことがある。

 そこがどれだけ暗くて寂しくて悲しくて、途方にくれるか知っている。

 そして、それと同時に、そこからの抜け出し方も俺は、知ってる。

 一人でその穴にいなくていい。

 俺も一緒にその穴に入るよ。そして、抜け出し方を君に伝えるよ。』

唖然とした顔、そして、一緒に出ようと彼の目をしっかりと見据え

唇を食いしばって泣くのを堪えていた彼。

『ブラザー、顎を緩めていい。泣くのを堪えなくていい。』

そう言って、顎を触れようとする彼の手が伸びた瞬間、その人は膝から床に伏せた。

その瞬間、

『同情かよ』とそこにいた別の男性が口ずさんだ。

一瞬にして、凍りついた雰囲気。

そう思ったのもつかの間、また別の男性が言った。

『君には、この彼のようにブラザーと呼べる友達がいるかい?

 君の痛みに耳を傾け、手を差し伸べてくれる友達は、君の人生にはいるのかい?』

言われた男性は、はっと息を飲んでいた。

『ブラザー』

この言葉ってよく、アンドリューが他の男性に言ったり言われたりしてるのを聞く。

『いつでも電話してこいよ、bro』

私たちの日本での結婚式も、アンドリューは家庭の複雑な事情で

アンドリュー側の親族は一人も来なかった。

でも、彼の友人のカルロスは

『お前が結婚するときは、

 世界のどこだって飛んで、お前の結婚式に参加するさ、ブラザー』

と数年前に言った約束を守って

アンドリューの結婚式だけのために日本にアンドリューの親族代表としてきてくれた。

アンドリューが「ありがとう」とカルロスに伝えると

『約束だろ、ブラザー』

って言ってた。

生まれた環境、育つ過程の環境、色々あるけど

私はこういう友人を持つアンドリューを素晴らしいと思う。

人間はいつだってどんな過去があったって、

他人と愛を持って繋がれることを感じることができる動物なのだと。

男性同士がそんな仲でいるのを見ることは、

女性にとって世界が安全で安心な場所だと感じさせてくれる。

その逆で男性同士が、お互いを信頼し繋がっていないと

世界はなんだか不安定な感じがする。

とにかく、

男性がブラザーで繋がるのっていいものだ。

この帰り道、私の中では『Yeah Yeah Yeah』が流れていた。

勇気だ愛だと騒ぎ立てずに、その気になればいい。

yeah, yeah, yeah- yeah,yeah yeah, yeah-

掴んだ拳を使えずに、言葉をなくしてきたか

傷つけられたら牙を向け、自分を失くさぬために

今から一緒に、これから一緒に殴りに行こうか!

一緒に殴りに行こうか。

そう言って背中を押してくれる仲間。

私の友人が日本でアンドリューが活動をしてるMKPという団体の初めてのワークショップが開かれます。

他人であっても、ブラザーと寄り添う男性社会が出来たら

私たち女性はきっともっと安心や安全を感じられると思うから、

私は彼らの活動を心から応援したいと思っています。

もしも、仕事だけをして友達と呼べない優しい男性がいるなら

もしも、お父さんからの愛をもらえずにいた男性がいるなら

もしも、奥さんや子供と繋がれない男性がいるなら

もしも、感情を伝えることが出来ない何を考えているかわからない男性がいるなら、

もしも、愛している人が、辛そうだったら

ぜひ、チェックして見てください。

日時:2019年7月14日 日曜日 10時から17時

場所:東京西麻布

受講料:1万円

こちらから

このMKPの日本での初ワークショップ。

イントロ編なので、どんなものか見てみるだけでも価値があるんじゃないかなって思います。

*5分28秒あたりから、みてみてください。圧巻です。

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