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世代の残像2


私は、夕ご飯を作り終えると、

そのままテレビを見ている娘のところへいつも通り歩いていって

「ママ、ミーティングに行ってくるね」と言いました。


彼女の目は、私の目を捉えるどころか上の空。


私の娘、どこに行っちゃったんだろう???


と恐怖心が私の背骨を駆けました。


「大丈夫?」と聞くと焦点が合わない表情で「大丈夫」と。


そして、


アンドリューのところへ行って

「なんか、変だよ、あの子。」と伝えたほど。


すると、彼が

「オッケ。ま、行ってらっしゃい。

 そういえば、あのズボン、おしっこついてるから」

と。


「え?」

と聞くと


長女がお漏らしをしたと言うのです。


彼女がいまさらお漏らし???


少しずつ彼女の何かが崩れていく感じが否めない中、私はミーティングに行きました。



(*少し前までは、こんな笑顔で妹とよく笑って遊ぶ長女だったんですけど)


(*先週の土曜日。もうこんな無表情になってしまった)



ミーティングでは、五人の男性と私一人の参加でした。


小さなグループの中で、私は娘のことを話しました。


学校での彼女の態度が気になるけど、それ以上に私が怒りが止まらなかったこと。

そして、

長女が次女をいじめること。

いい生徒だと先生に言われてること。

表情が彼女らしくないこと。。。。

もう笑わなくなっちゃったこと。

口数が少なくなったこと。

私と話すことがなくなったこと。

おしっこを漏らしたこと。



するとファシリテーターが

「オッケ、いろんな要素が入り混じってる。

 でも大まかに分けて二つ。

 一つは学校でのいずみの反応。

 もう一つは、娘の今の状態。

 きっと両方つながってるだろうから、

 まずは、

 その学校での状況から始めよう。

 その状況を見たときに君はどんな思いになったんだ?」


「そんな事してたら、嫌われるよ。。。かなあ」


「そう。君の娘は、お友達に助けを求めたのに、

 いずみはそんな事をしたら嫌われるって思ったんだね」


「え?…今なんて?」


「だから、君の娘は友達に重いから助けてほしいとお願いした。それを君は嫌われる行動だと懸念した」


私が言葉を失っていると


「それを君は誰から学んだんだい?」


少し考えて出てきた人物は、10歳年上の姉だった。


姉はよく私に「お母さんがあんたみたいな人間を叱らないから、代わりに調教する」と言ってた。

もうずっとずっと昔のことなのに、久しぶりに、彼女の言葉を鮮明に思い出した。


「そんな事をしてるあなたは嫌われる。あんたのことを好きな人間なんて誰もいない」


そうよく姉は私に言っていた。


無邪気な発言をすれば容赦無く、説明もなく、顔面を引っ叩かれることは日常茶飯事だった。


「アンタみたいな奴は」

彼女が家を出ていく日まで、よく言われたセリフだった。


ずっとずっとずっと昔の話。


もちろんヒーリングをしていく中で、彼女のことが出てきてワークをした事もある。


そして、このファシリテーションの色々な行程の中で一つ鮮明に見えたものがあった。


それは、私の体の中に刷り込まれた姉の信念、言葉、経験、感情。



「君はあの瞬間にお姉さんになったんだな。」


そう後から私のワークを見ていた人が言った。


 「そう言う人は多いよ。見てきたものをそのまま気づかないうちにやってしまう。

  良かれと思って本人はやっていても、それは現実的には、全く合理的ではないことを。


  でも、君はそこに違和感を感じた。そして、今日、ここにワークをしにきた。


  ここで、その世代を超えてつなげていくものを絶たないとと思ったんだろう?」


そして、もう一人の男性が言った。


「僕たちが止めるんだよ。ここで。

 自分がされて嫌だったことを。でもそれは普段の意識だけじゃ無理なんだ。

 君だって、どれだけコンシャスに親をしてるかを僕はずっと見てきた。

 

 君は素晴らしい母親だ。

 

 でも、ふと、出てくる。

 そこをキャッチして、もう僕たちの世代で止めるんだ。


 だから、今日のワークをしにきた君は、本当にグッドジョブだよ。

 きっとここから君はもう姉の亡霊に侵されないだろ?」



学校というものが始まって

時間に追われるようになった時から

私は、心が焦って、子供たちを見るより、タスクをこなすことを始めた。


娘と戯れるよりも、業務命令が多くなった。


それをある方に伝えた時、


「それって典型的な母親ね。」


とコメントをいただいた。


(私は、典型的じゃダメなんだ。もっとエンパワリングな関わり方の親子に変えていきたいんだ)

と強く思った。


でも知らないうちに、典型的に、はまっていってた。


それを娘は、いろんな形で警告を出してくれてた。



実際に、学校でのお弁当箱を持ってもらった姿は

ただ、娘が友達に助けを求めただけだった。

その代わり、娘がお友達を助ける姿も何度も見てきた。


何十年も助けを求めれずに、一人で歯を食いしばってやってきた私が願うのは助け合う世界なのに、

それと真逆に、あの姉が乗り移った瞬間「人の親切を利用するな!嫌われるぞ!」なんていうメッセージを娘に渡してたんだ。


人に助けを求めれた娘ではなく

人に助けを求めた結果、怒る姉の残像が私の身を纏い、娘を叱るという行動と出たんだ。



何をしてたんだ、私。

何をしてんだよ、わたし。


おい!



目の前の娘を見るのではなく

過去の残像の中で、生きていた。


姉のこともそうだけど、

朝の忙しさも、急かすことも、私の中の母の残像が私をマリオネットのように動かしてた。



全ては私だった。


娘はただ、パーフェクトに育っていた。


その彼女の純粋さに歪みを与えたのは、姉からもらった私の過去の経験であり、母のあり方を見て育った私の無意識だった。



これを次のジェネレーションに流してはいけない。


そう心に強く思った。


家に帰ると、アンドリューと娘はベッドで川の字になって寝ていた。


私が娘の寝顔に向かって謝るのは、今日を最後にする。そう思って彼女の頭を撫でた。




翌朝、6時に長女が起きて

「ママ」といった。


「なあに」というと

「おしっこに行きたい」と。



トイレに手を繋いで連れて行き、ベッドに戻って私は彼女を抱っこしながら言った。


「ねえ、ママね、あなたが生まれてきて本当によかった。

 あなたがいて、ママはとっても幸せ。

 あなたは、ママにとってスペシャルよ。

 ありがとう、生まれてきてくれてありがとう。」


 そう伝えた。

うざいぐらいに笑


すると、娘は、ベッドから起き上がって、変なダンスをし始めた。


そして歌を歌いながら、階段を駆け降りていった。


娘の目に、力強さが戻ってきた。


娘の顔に笑顔が戻ってきた。


次女が起き上がると優しく「おはよう」と声をかけて、一緒に手を繋いでトイレに連れていってた。


やっぱり、長女がおかしくなったんじゃなかった。

私の在り方が長女をそういう風にさせてしまったんだ。と再度認識した。


その本来の長女の姿を見て、私はなんてバカな母親だったんだろうかと泣けた。



それと同時に、娘らしさが戻ってきてホッとした。





優しく、温かく、笑顔で楽しい我が家。


それは、「私」から始まる。



私は家に帰ってから、この気づきをちゃんと潜在意識のプログラムとして着地するように

インテグレイティッド・ヒーリングのセッションをしました。



今回のブログで姉のことを書きましたが、本来の彼女は綺麗で、芸術的な才能があって優しい人です。


ただ、彼女もきっとどこかで、学んだのだと思います。


でも昭和のあの頃は、自分のワークなんて今ぐらい一般的ではなかっただろうから

それを次の世代にもたらすことしかできなかったんだと思います。



一人の女性が惨めで歯を食いしばった思いをすると、

その残像は次の世代に知らないうちに受け継がれてしまう。


それはカラフルな絵に、黒い一滴の水が滲むと他の色も全て黒に染まってしまうように

愛のない世界になってしまう。


だからこそ、自分のワークは大事なのだと思います。



だからこそ、自分が幸せにいることに注力をするのは、社会への貢献だと今回改めて思いました。


9月1日に二人とも新年度が始まって2週間のこの急降下。


9月13日に復活。


今日も娘は踊りながら、朝ベッドから降りて

お尻を振りながら変顔をしてアンドリューを笑わせていました。


「守りたい家族がいるなら、自分の過去のクソの始末だな。」


そうアンドリューがいう言葉に頷きながら、

私は今朝を安堵の気持ちで迎えています。


そして、今年大きくたてた二つのプロジェクトの価値を大きく感じています。


一つは、「生理を整えるクラス」

体をケアして、自分の体を労って、自分の体に向き合って自分を幸せな体の状態に持っていってあげること。お申し込みが入って嬉しいです。ありがとうございます。参加者の女性みんなで、体の話を一緒にベラベラしてきたいです。







もう一つは、先ほども私が潜在意識のワークをしたと記述した

インテグレイティッド・ヒーリングのリトリートです。

こちらは、告知と同時にすぐにお申し込みをいただいて、残り2名のみ枠が残っています。



モノクロから虹色へ

 

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