top of page

怒りの感情


火曜日の夜、私は全身でバズっていた。

頭の中がズズズズズズズと言う音で大仁田厚の電線並みにチリチリしてた。

家に帰るなり、私はアンドリューに言った。

I feel like shit

どうしたんだい?と聞くアンドリューに夜のミーティングで起きたことを伝えた。

ことの発端は数週間前に、ある女性からアンドリューに連絡が来たことである。

『ねえ、私のお友達がシェフで家で料理をしてくれるの。

 あなたにもそれを経験してほしくて。

 私のギフトとして、受け取ってくれるかしら』

そんな連絡がだった。

私は急にどうしたんだろう?と思いつつ、

とても素敵なオファーだとアンドリューが喜んでいるので

受けることにした。

当日、そのシェフが大量のフライパンや鍋を持ってやって来た。

料理を作り、披露し、最後にそのフライパンの宣伝をして来た。

全部で70万円する代物だった。

私は困惑した。

え?ギフトだと思っていたのに、これってセールス?と。

そして、その売っている業者はこう言った。

『誰かを紹介してくれたら、この調理器具、3万円相当を

 きみたちにプレゼントするよ』と。

そこで全てのストーリーが見れた。

つまり、

その紹介してくれた女性の友人は、

私たちを紹介することで、この3万円のものを無料でもらう仕組みだった。

私の怒りはグツグツと音を立てて煮え立った。

そして、その夜、アンドリューは彼女に電話をして言った。

『あのやり方はクールじゃないね。』

すると彼女は

『信じられないわ!あの業者、あなたたちに売ろうとしたのね』

アンドリューが言う。

『そこが話のポイントじゃないんだよ。

 業者だから売るのが仕事じゃないか。

 きみがフリーのギフトをもらうために、僕たちにそのセールスのことを一言も言わずにあたかもきみからのプレゼントって形で言ったことが、僕にはショックだったよ。

 どうしてクリアに事前に言ってくれなかったんだい?』

彼女は続けた。

『そんな風に売ろうとしたなんて信じられないわ。』

論点がずれてる彼女の話を聞きながら、

電話口で目をぐるりと回して、アンドリューは

『とにかく、この件は友達として、クールじゃない。』

そう言って電話を切った。

私はベッドルームで赤ちゃんにおっぱいをあげながら

その会話を聞いていた。

おっぱいは私の怒りのホルモンで苦かったのか、赤ちゃんは口をパッと離して

そのまま寝てしまった。

さて、話はもとい、その火曜日の全身がバズっている日、

私は彼女に『クリアリング』をしに会いに行った。

クリアリングというのは、

誰かに対して、自分が怒りだったり不満だったりを感じている際に

クリーンな形でその内容をシェアするということをする行程だ。

逆にクリーンな形ではない怒りの表現という場合は、

陰口を叩くか、

女同士、髪の毛を引っ張り合うか、

自分の中に溜め込み病気になるか、

その怒りを全く関係ない人にぶつけるか

と言った類であろう。

このクリアリング、今まで何人もの人がそれをするのをみてきたが、

毎回、何かしらの学びがあって、その行程のクリーンさに感心する。

ただ、それはあくまでも外部から見ていた時の話であって、

怒りに燃えている私にとっては、感心どころではなくヤンキーのごとく

ぶっ飛ばしてやる!っていう勢いである。

さて、その会合で

『クリーンアップする必要がある人』とファシリテーターが言った。

なぜそれをするかというと、ゴシップで裏でとやかくいうのではなく

言いたいことがあるなら、ここでクリアにして、

この場所を安全な場所にしてから、お互いワークをしようということである。

私が手をあげる前に彼女が手を挙げた。

『いず美に対して、クリアリングが必要なの』

それを言われて、

ファシリテーターが言った。

『いず美、いいかい?』

『もちろん』と言いながら、

私は

『喧嘩上等』という旗をなびかせるぐらいの勢いで立ち上がった。

モノクロから虹色へ

Featured Posts
Recent Posts
Archive
Search By Tags
Follow Us
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page