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股関節の手術を控えた女性の初セッション

登場したのは色黒で高身長の72歳の女性。


バリバリのキャリアウーマンながら、とっても穏やかな彼女が

5月に「股関節の手術をするのだけど、あなたのピラティスを試してみたいの」と

連絡が入った。


6月は日本でインストラクター向けのピラティスを教えるために帰国だったので

では6月の末に帰ってきたらしましょうと伝えた。


(↓こんな感じでインストラクターに教えさせていただきました)



股関節の手術は主流だが

私としては、彼女はピカボールというこっちで流行ってるテニスの小さい版を

やってるので、そんなに酷くないのだと思っていた。



彼女が登場して、すぐにマシンに乗ってもらった。


彼女の足を見る。


そして、触りながら動かす。


どれだけ外見もやってる事も若くても、彼女の体は、ボロボロだった。


いや、バラバラだった。


バラバラだからこそ、ボロボロになってる感じだった。



この動かし方であれば、立ってるのがしんどいのではないか?


この動かし方であれば、動くのも一苦労ではないか?



少しずつ彼女の動ける範囲で動いてもらう。


骨の動かし方が奇妙だ。

そして、足の裏に息吹がない。


骨の動かし方が奇妙な時に彼女が「股関節が痛い」という。


そりゃそうだよ。


そう思い、ビデオに撮って彼女に伝えた。

頭はシャープな人だから、きっと頭と体のリンクをつなげたら反応が早いと思ったから。


その私の予想は的中した。


彼女が少しずつ体をマインドをつかって動かし始める。


そして、私の触れる部分にエネルギーを感じながら。


彼女のやれることは少ない。でも一つずつに意図を持って動く。


最後に足の裏のワークをした時には、もう、悲鳴をあげるほどだった。

と言っても、私は何もしていない。

ただ、フットウェイカーの上に足を乗せてもらっただけで彼女の体はほてっていった。





そして、彼女が話し始めた

「ニューロマを抱えているの。」


「え?ニューロマンス???誰誰?どんな男性?」



「違うわよ。ニューロマ。足がね、サランラップで覆われている感じになるの」


「ああ」


なんか、刺激されて心が開いて、何か秘め事を教えてくれたのかと私はウキウキしたが

男女関係についての秘め事ではなく、

体に抱えてる秘め事をシェアしてくれた。


10年前に診断されて、その後、「仕方がない」と言って片づけられた彼女の体。

そして、そこから背骨にも神経系の問題を抱え、肩にもそれが出ているという。



人間のメンタルはすごいと思う。

そういうのを一切出したことがないから。


でも、彼女のメンタルの器である、身体は、ボロボロだった。


1時間のセッションを終えて

彼女はいった。


「なんか、私が私の体の中にいるみたいだわ!」


変な表現だけど、きっとそれほど、彼女は体と感覚が隔離された場所にいたのかもしれない。



そして、私に質問をしてくれた

「ねえ、どう思う?私の体」


私は一呼吸置いて、ゆっくりと答えた。



「あなたが手術をするのであれば、それは私はフルにサポートする。

 でも、手術をしたからって、今のあなたの体の使い方であれば、

 きっとまた股関節を悪くすると予想するわ。


 だって、それを支える筋肉が眠ったままだから。


 そして、足や背骨にいろんな問題を抱えていると言ってたけど、

 あなたの体は、私の声と手に反応をしている。


 だから、私は、神経はただヘルプを求めているだけじゃないかと予想するの。


 私は医者ではないから、治すとかそういうことは言えないけど、

 でも、エネルギーを流すことができると思う。

 

 私の信念は、体は私たちが思う以上にスマートだから、

 エネルギーが流れれば、自分でできる限り直していく方法を見つけると信じているわ」



そういうと、黙って聞いていた。


サイコセラピストの彼女。

また来週くるわと言って、去っていった。



普通の健康な人に比べたら、本当に動かない体だ。


だからこそ、ゆっくりゆっくりと動かし体とマインドをつなげていくことで、

彼女が自分の足でパワフルに自分を感じながら歩ける日が来たら、

私は泣いてしまうだろうと彼女の未来を先取りをしている。


モノクロから虹色へ




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