Inappropriate Reaction

『なんであんなこと言っちゃったんだろう』

そう友人が言った。

『いつもそうなんだよね。

　言った後で後悔して、やった後で自分大丈夫だったかなって反芻するの』

『反芻するって？』

『たとえば、笑ったらいけないところで笑ったり、　

　別にあの人は自分のことを傷つける気持ちなんてないのに、悲しんだり

　子供にだって、たかだか4歳なのに、マジギレしたり。

　こう言う話をすると、

　多分、自分が繊細なんだとか

　周りの目を気にしすぎだとか

　言われると思うんだけど、なんか違う気がするんだよね』

私は興味深く聞いた。

　『人間だから仕方がないって思って、

　　そんな自分を許そうとか受け入れようとか、愛そうとか思うんだけどさ・・・

　　それでいいのかなと疑問に思うわけよ』

そう心の内の葛藤を話してくれた。

わたしは、彼女に質問をしてみた。

『受け入れ難いのかなあ？その自分が』

すると、彼女はキョトンとした表情を浮かべて、靴先を見ていた目線を

わたしに向けた。

わたしは続けて

　『その後悔した後悔した行動をとった自分が嘘をついてるから、受け入れ難いんだと思うのよ。

　たとえば、本当のわたしはこう言うことを言いたいんじゃないんだけど

　って心のどこかにあるから、

　受け入れ難いっていうか。』

『えええ？ちょっとちょっと、なになに？』

『多分さ・・・・』

友人が耳を傾けようと体を乗り出してきた。

『Hidden Emotion があるんじゃないかなあ。』

乗り出してた体を元に戻して、

『え？！』と言う表情を見せた。

『本当は別の感情が

あるんだけど、それを出さないように、不適切な言葉とか

行動が出てるだけなんじゃない？

つまりさ、笑っちゃいけないところで笑ったあなたは、

本当は笑う以外に別の感情があったけど、その感情を隠して

その代わりに、笑うってことをしてるってこと。』

彼女は、つま先にきたアリンコを指で遊びながら、黙って聞いていた。

女性が男性に怒る時には、怒りたいんじゃなくて、本当は泣きたいんだと言うのをよく聞く。

でも、

怒られている男性は、心で悲しいなんて思いもしない。

ただ、叱られたと捉えて怒らない方法を考えることをする。

本当は泣きたいこの気持ちをわかってくれないから、その男性にイライラすると言うのは

よくある話だ。

ここの悲劇は、女性本人も、自分の中に泣きたい気持ちがあるって気づいていないことだ。

多分だけど、泣いて、ビービーいって聞いてもらえなかった経験があったのかもしれない。

だから、

泣いて

訴えても無駄だ、と思ったそのとき親が怒って何かをさせる姿を見て

怒れば訴えが聞いてもらえるのだろうと学習した。

そして、泣きたいほど

どうにか訴えを聞いてほしいとき、泣くと言う代わりに

怒るを提示することが

習慣化してしまった。

なーんて言うセラピストの方もいる。

どんな仕組みかは、実際、わたしには

わからないけど、

自分の本当の気持ちを知らないと言うのは、全ての悲劇の始まりな気がする。

それをどう伝えるかは

また

別の話で。

よく、「ああ、わたし、こんな気持ちだったんだ。」と言って

それをそのまま伝える行動をしがち

でも、

自分の中で、

どうしてそんな気持ちになったのか、

ちゃんと理解しないまま、相手に伝えても、ただ

相手がそんな気持ち人なったんだ。そんなつもりじゃなかったよ。

と、謝って終わりか、ガン無視されて終わるというパターンがある。

どっちも経験してきたが、

結局は自分が自分がどうしてそんな気持ちになったのか

理解しないまま自分の気持ちを相手に共有しても、

報われないことは

多々ある。

Hidden Emotion

自分が

不適切な行動をとった時、

自分が

不適切な発言をした時

というか、

自分が自分らしく発言や行動が出きなかった時

そこには

隠したい感情が

あるに違いないとわたしは

いつも自分に対して思うようにしている。

でも

20年前の私だったら、

私らしいってことすら

何かわからなかった。誰か素敵な人を模範にして、

その人みたいに生きることが正しいとすら思ってきたから

感情だけじゃなく、

ずっと自分の全てを隠してたのかもね。

子供たちがあそぶ公園の砂場で

腰をかけて足もとに寄ってくるアリンコを指で追いかけながら

友人と無言でそんなことを振り返っていた午後でした。

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