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母が作る迷信


妊娠をして一つ分かった事がある。

ずっと疑問だった母の言う[迷信]についてだ。

それ、どこからきた説なん??とツッコミたくなる言葉が多い。

よくあるのは、夜に笛を吹くと蛇が出て来るとか

夜に爪を切ると、親が早死にするとか

そんな脅迫的教育から始まって、出がらしのお茶を畳にまくと良いとか。

かつて

駅伝の選手として、第一区を走る朝、朝食に母が「うなぎ」を出して来た。

当然消化不良を起こし、

気持ち悪いと訴えた私に母は『うなぎは縁起がいいから大丈夫』と背中を押された。

それを知った父に夜『お前、朝食にうなぎはないだろう』とたしなめられていたが

結局,

区間賞で一位を取った私の結果に母は、『でも一位取れたからうなぎで良かったのよ』とさらっと確信を持って言っていた。

こんな風に、私の成長過程で、根拠の無い彼女の【迷信】に踊らされる事なんて、

しょっちゅうだった。

それは、今でも変わらない。

妊娠して、一番初めに思い浮かんだのは、

【使い終わった鍋に水が入っていないと、赤ちゃんの羊水も無くなる】

というものだ。

なんとまあ恐ろしい言葉だろうか。

そして、使い終わったお味噌汁の鍋に水が入っていないと私もアンドリューに

『羊水が無くなったらどうすんねん!!!』と怒っているから

本当に迷信とは言い伝えられる物なのだと思う。

さて、

妊娠して、つわりが始まると、表現のしようがない経験が待っていた。

女性のカラダは妊娠をすると、赤ちゃんを攻撃する事を止める為に免疫を下げる。

免疫が下がると言う事は、私のカラダでは粘膜が弱くなるという事。

だから、

鼻の粘膜に刺激があると、免疫が下がっているのでくしゃみ/鼻水が止まらない。

上あごが痒くなる。

喉が渇く。

目が痒くなる。

膣の粘膜が痒くなる。

そして、極めつけには、胃の粘膜も弱くなっているので、胃酸が低くなっている。

それによって、消化不良が起こり、気持ち悪くなる。

だから、レモンとかグレープフルーツと言った酸っぱい物で胃酸をサポートしてあげるとスッキリする。もしくは唾液を引き出す塩分を無性に取りたくなるのもそれが理由である。

私自身のカラダが

この13週間、気持ち悪いながらカラダの観察をして行きついたつわりの原因は

そこである。

それでも一般的に言われているつわりの原因を調べると

『毒出しをしているから酸っぱい物が食べたくなるんです』という料理研究家の人の説

『骨盤がズレていて自律神経が圧迫されているからです』という整体師の説

『自分と子供のオーラが異なるからです』というスピリチュアルな人の説

『ビタミンB6が足りないからです』という栄養士の方の説

と、それぞれの専門分野から色々な意見が出てくる。

きっとそれに当てはまる場合もあれば、当てはまらない場合もあるんだろう。

そして、全員にあてはまらないので【迷信】というか、【都市伝説】というか

そんな形で語り継がれていく。

そんな中で、

『つわりがあるのは、赤ちゃんが元気な証拠』

『つわりがあるほど、赤ちゃんが賢い証拠』

『つわりがあるほど、赤ちゃんの成長が発達している証拠』

こんな声かけも、沢山いただいた。

ただ、わたし自身が1人目の子を流産した時に、心音が止まっていても

つわりの症状がずっとあった事で、元気な証拠とか、成長が発達している証拠というのは、’私には当てはまらない’という実証済みなのである。

そして、産まれて来ていないから、『賢い』と言うのも確信は得られない。

つわりが酷い中で沢山のいわれに出会い、

世の中には沢山の根拠の無い【迷信】が溢れているのだと気付いた。

ただし、

その一方で、本当にしんどい時に、この希望の言葉らは凄く心地よい。

私が前回の流産で、医学的には根拠のない説だが、それでも救われた言葉だった。

『いず美のカラダは、

 赤ちゃんになるには、もともと生命力が弱くて生き延びられない赤ちゃんにも、

 お母さんのお腹に宿ると言う経験をさせてあげられる強さがある。

 生命力が弱い魂も、赤ちゃんにさせてあげれた程の強い身体なんだから

 生命力が強い魂が今度来たら、きっと赤ちゃんは無事に育つよ。

 流産が悲しい事ではなくて、

 生命力が弱い赤ちゃんにも命を宿してあげれたいず美のカラダは凄いって事だよ』

この言葉は、私の心に本当に深く響いて救われた言葉だった。

そっか、私の身体はまた妊娠出来るのだ。

そう思えた。そう言う希望と勇気を与えてくれた。

だから、私は信じる事にした。

母にとってのうなぎが勝利の秘訣と「確信」しているのと同じごとく、

私も、どんなに生命力の弱い赤ちゃんでもお腹に宿せる強靭なカラダを持つ私、と

確信する事にしたのだ。

妊娠にしても出産にしても、

人間の理解を超えた所で行われていて、

Perfectly imperfect(完全なる不完全)と私の産婦人科医がおしえてくれたほど。

その不完全な分からない行程の中での根拠の無い希望を与える言葉は

想像以上に力を与えてくれるのだと感じた。

何度もくじけそうになったつわりだったが、

『生命力の弱い赤ちゃんを授かれる強靭な私は絶対にこれを乗り切るに違いない』

と。

はい、つわりさん。もういなくなっても良いですよ。

そう言って過ごした妊娠13週目の出来事の振り返りでした。

モノクロから虹色へ

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