くしゃくしゃの一万円


先月、私がアンドリューと日本を旅していた時、

父親が駅まで送ってくれました。

その時に、袋にみかんとむき出しのサツマイモを入れて

『電車の中で食べなさい』と

言って渡してくれました。

ありがとう、と言って私たちは長野へ向かって電車に乗りました。

むき出しのサツマイモなんて、アンドリュー食べないだろうな

そう思って、袋を開ける事なくホテルに到着。

すると、くしゃくしゃになった一万円札が出て来ました。

凄く凄く驚きました。

私の人生の中で父親からお金をもらうことって、まずなかったからです。

年金で暮している両親からもらうことなんて、

恐れ多くて出来ません。

私が小さい頃は、12月31日に除夜の鐘を聞きながら、

お父さんと二人で寒い寒いと言って二人で歩いて神社まで行きました。

夜道を歩く時、手をつないだ事はありませんでした。

寒い寒いってポッケに手を入れて、二人で歩くのです。

話す事なんてなくて、お父さんがいつも『ぷ、、ぷ』って歩きながら

おならをするのを聞きながら、

『アー今年の初笑いが又お父さんのおならになっちゃったよ』

そう言って笑って歩く事が私にはとっても楽しかったです。

私はお父さんが大好きです。

その父が、唯一お金を出してくれたのが、

初詣に行った帰り道に自動販売機でコンポタージュの飲み物を買ってくれる事でした。

多分110円だったと記憶しています。

お父さんが私の為にお金を使ってくれる。

それが嬉しくて、コンポタージュのコーンを全部飲むように努力をしていました。

それが私の学生時代の年始でした。

彼は退職した後も、大学生だった私の為に母親がお願いをして

父は何も言わずに仕事へ行って稼いできてくれました。

当時は、

私はボケ防止の為に,退職しても他の職に行っているだと思ったアホ娘でした。

大人になって、

私が父に今度はお金を出して眼鏡を買ったり、靴を買ったりしていました。

私を育てるために沢山、お金を払ってくれたから。

買っても買っても足りない気がして。

でも父はいつも『全てようは足りている』と言うそぶり。

セロハンテープでつないだ眼鏡に、泥だらけの靴。

だれも間違えて取りゃしないのに、インソールには『滝口』と大きくマジックで書いてあります。

ゲートボールには、どこかの山でとってきた木を自分でハガネでつないでパターとして使っていました。

そんな父がくれたこの1万円が私には価値が重すぎて、

父の愛が大きくて、長野の旅館でひとしきり泣きました。

彼にとって一万円があったら、

眼鏡を直せる。パターが買える。温かいジャンパーだって買える。

その一万円を私にひょいとくれた父の思いが、私には喉が痛くなる程泣けたのです。

これだけ愛されて、私も愛している父と出会えて

私は本当に幸せです。

モノクロから虹色へ

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alphanajosei@gmail.com    Bevely Hills, Santa Monica, San Diego   tel:818-298-7468 イラスト 櫻井乃梨子 from “Art of living magazine”