後からついて来る

マドリッドの町を３時間位チャリンコで色々とまわりました。

むっちゃ楽しかった。

やっぱり、地元感覚で色んな所をチャリンコでグルグルまわるのはとても楽しい。

実はこの朝、私泣いているんですよね。

なんで泣いたかというと、前日にマドリッドに到着して２日間の弾丸ツアーだったので

その後にすぐにトレドという所のツアーに間に合う様に急いで行ったんです。

私がこのツアーを予約したので、ちょっとした責任感が出て来て

到着して眠いという彼のお尻を叩いて、間に合うか？とドキドキしながら

Wi-Fiで確かめて、こっち、こっちってリードしていました。

マドリッドの空港から、滞在先の近くの駅へバスでの移動。

バスだってどこから乗るか分からない。

『Where is it? 』と言うアンドリュー。

『しらんがな。私の庭じゃあるまいし、私だってここに来るのは初なのよ』

そう言いながら、初めは、じゃれてた。

駅から、滞在先の家への行き方。

その途中でレストランでご飯を食べる。

ご飯を食べているときも、３時からのツアーに間に合うのかドキドキして仕方が無い。

ご飯もむっちゃ美味しかったけど、ヤバい間に合わないよ！と言って

急いで滞在先へと向かう。

到着して、荷物を置いて、家の使い方を聞いて、気付いたらもう２時４０分。

ヤバいよヤバいよ！と言って、

ツアー会社に電話をして少し遅れるかもしれないと伝える。

そして、滞在先を出る時に、

アンドリューが『パンツってどこに入れたっけ？』とか

『これ、持って行った方がいいかな？』とかどうでも良い事を聞いて来る。

小殺意

もう、自分で決めてよ！って冷たく言い放ち

焦る焦る。

走って、タクシーを拾いに大きな通りに出る。

乗り込んだら、あとからタラタラ歩いて来る（様に見える）アンドリュー。

小殺意アゲイン

そして、タクシーの人にどこ行くの？って聞かれて、

『どこだっけ？』と言うアンドリュー。

殺意アゲイン＆アゲイン。

うるせーと思いながら、冷静にタクシードライバーに行き先を伝えて、急いでもらう。

３時丁度に到着して、ほっと一息。

『ほら、急がなくても間に合うじゃん』

そんな冗談を言うアンドリューに、

こっちは殺意リターンズ。

１３時間の飛行時間に１時間のバス移動。

寝ていない中の、暑くて日差しの強い湿気が多いツアー。

単純に疲れた。

とっても綺麗だったけど、

なんかボーッとして本来の満喫が１０なら３ぐらいしか楽しんでいないかも。

とりあえず、チェックしたって感じ。

ホテルに戻って、もう疲れた。。。。って言ってシャワーを浴びてバタンQ。

その翌朝、また同じ様に自分がリードして一日が始まるのかと思うと

イヤだ、、、、って思って泣けて来て。

『ここは私にとって初めての地なの。なんでもかんでも私に質問しないでよ。

　一緒に考えてよ。リードしてよ。

　今日の自転車ツアーが終わったら、私たちはバルセロナに移動よ。

　それも私がリードするかと思うともうイヤだ。

　あなたが楽しんでいる間、私は次の時間のやる事を考えているのがもうイヤなの。

　私も楽しみたいの！！！』

そう言って、泣いたわけです。

『もしも、君も僕も楽しんだとしたら？』

と聞かれて

『そんな事できるわけ無いやん。

　私があっぱっぱーでいたら遅れるに決まっているやん！』

と言うと、

『遅れないかもよ？』

と答える。

なんやねん、禅問答か！坊主頭で寺に行ってから言えよ。

とぶちぶち文句を言ってたら、

『おけーおけー』って答えてた。

ほんまに大丈夫かいな？信頼して、頼って大丈夫かいな？

と疑心暗鬼が耐えない。

だから、

ずっと彼がトイレに入っている間もトイレの隙間から

『今日、私、リーダー役やらんからな』

って言ったり、

部屋を歩き回っている間も、後ろについて『リーダー役やらんからな』って言い続け

荷物をまとめている時も『今日は、私に頼らんとってよ』と言う始末。

『ええかげんにせーよ。口からゲロの様に言葉が出ていますけど』

って言われて

『むかつくうううううううう。ゲロ噴射してやる！』と言い返し始まった朝。

そして、マドリッドの町を自転車で３時間走り回っている時、

風を感じながら、ふと感じた。

ずっと私の後をついていてくれている。

彼が私の前を歩くときは必ず手を差し出す。

あとは全部、私の後ろをついてる。

私の後をアヒルの親子の様について来ているわけではなく、

私がいつも自分の視界の中で安全な様に、この人、見守っているんだ。

そうか。。。。

「オレについてこい」っていう愛もある。

でも、後ろから私がやりたい様にしているのを見守る愛もある。

気付かなかった。

でも、私は持ち前の『急ぐ』という特質が出て来て、

それによってアップアップしているのを彼のせいにしていた。

結局、私のアルファな Always busy の部分が出て来ただけなのに。

この予定表を組んだのも私。

私がしたい事に付き合ってもらっているわけで。

勝手に自分の予定表にアップアップして、イライラして、相手のせいにしてた。

このマドリッドのちゃりんこ事件。

後から見ても、写真は後ろからの写真が多い。

前からの写真は、途中で止まった時のみ。

気付かなくて、ごめん。

アンドリューのせいにしてごめん。

前進する為の筋肉はね、前腿なんだ。

ずっと３時間漕ぎ続けて使った前腿。

ここが動けて来ると、前腿の持つ感情的な意味も稼働し始める。

前腿の意味はね、『つながる』

一人でぷんすかしていた。

前腿を３時間チャリンコでずっと使って、前進していたら、

つながる視点が点火された。

ごめん、アンドリュー

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