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本能よりも


日本に帰国している時、露天風呂でこんな会話を耳にしました。

『この歳になるとさ、

 ほとんどの素敵な男性は20代で結婚しているから

 いい男性って見つけられないのよね。』

そんな風にぼやいてる一人の女性が同席(同風呂?)していた女友達に

言っていました。

パッと見る限り、30代半ば。

確かに26−29歳の結婚ラッシュは私の周りでも続々と起こったほど。

『そうなんだよね〜

 結局、仕事ばかりしていて気付いたらこんな状態。

 今、結婚を意識して周りを見渡すと会社で良いなって言う男性って

 ほとんど結婚しているのよね。 

 あー一人でマンション買おうかな』

翌日、今度はサウナで

『なかなかこの歳になって、素敵な男性に巡り会えないのよね〜』

と言う、今度は親子の会話をまた耳にしました。

すると、その晩、泊まっていた旅館の仲居さんが

『素敵な旦那様とお子様ですね〜』

と言うので

『お子様はいらっしゃいますか?』

と聞くと

『いえいえ、もう年齢的にも無理ですので、

 こうやってお客様のお子様で微笑まさせてもらっています』

とのこと。

『え??失礼ですけど、おいくつですか?』

『ああ、45歳になります』

『今まで、結婚されようと思ったことは?』

『お付き合いをしていた方がいらっしゃったんですけど、

 ”君はボーッとしていてしっかり働けないから、結婚できない”

 て言われたんです。』

たくさんの女性を見てきて、たくさんの女性性男性性を勉強してきてると

こうやって色々なところで素敵な女性に会う。

でも、きっと知らないんだろうな。

女性は、

好きだと思う男性に指摘されたことをずっと忘れない。

ってことを。

「君、青色似合わないね。」

と付き合っている男性に言われたら、きっとその女性は一生青色を着ないだろう。

女性ってそう言う生き物。

体が小さくて弱いから、体が大きくて強い男性にDNAレベルで助けてもらう必要があると分かっているから、男性の言うことを聞いてしまう。守ってもらうために。

もちろん、そんなことは無意識だから、考えたこともないだろう。

そうやって過去に言われたことで、自分の未来を制限してしまうことなんて多々ある。

ただ、確かにこの仲居さん、抜けてる。

『あ、お造り、忘れて来ました。』

とか

『あ、さっきご注文いただいたお飲み物と違うものを持って来てしまいました』

とか。

『ほんまに、抜けてますね。』

と言うと

『はい、だから結婚を断られてしまったんです』

と言う彼女。

悲壮感はないけど、

彼女は天然である=結婚できない

という嘘にハマっていることに彼女は気付いていない。

『一つ質問していいですか?』

『はい』

『抜けている人ってこの世の中に沢山いると思うんですけど、

 その人全員、結婚できていないと思いますか?』

『え??』

『いや、あまりにも確信を持って抜けている人は結婚できないって言うから

 それって真実なのかなぁ?と思って』

『そうは、ちゃいますねぇ』

『タレントの松本伊代さんとか。

 私、抜けている人ってどこかで守ってあげたいと思う人もいるだろうから

 その器がある人にハマったら、お互いハッピーな感じしますね』

『あ、そんな風に考えたことがありませんでした。

 もう、私の性格は変えられませんから、このまま一生結婚はできないんだろうって思っていました。』

『お別れした後も、彼のいうことを忠実に守って、

 結婚しないほど今も好きなんですか?

 その男性にその後の自分の人生の決定権を与えてしまう力を与えるほど、、、』

『いやいや、もう15年も前の話です』

『そうですか。15年間も彼の言ったことを真実として来たんですね。

 女性ってそう言う生き物ですよね。 

 君は、お酒なんか飲むのかい?

 そう言われたら、お酒を飲むことが悪いような気がしてしまいますし。

 そうやって、

 たった一人の男性の価値観、もしくは気まぐれに言った言葉に

 自分の一生を捧げてしまうことがありますね。』

『いや〜もぅ、真実ちゃいますね。

 何をやって来たんやろ。ちょっとこれから素敵な人探します。』

そう言って少し物思いに耽る彼女。

お風呂から戻って来たアンドリューと昼寝から目が覚めた赤ちゃんの両方が

ちょうど揃ったところで、

『彼女は失礼します。。。』

と襖を閉めて行きました。

なんだか、このまま返して大丈夫だった’かな?と思いつつ。

するとお布団を敷きに戻って来た彼女に伝えました。

『あの、一つ、シェアをしてもいいですか?』

『ええ』

『これから、きっと色々な男性に会うと思うんです。

 その時に、女性の本能でいいなと思う男性を選ぼうとすると

 多分、結婚している方が多いと思うんです。

 40代過ぎますと、そういう男性って不倫に落ちたがるから

 不倫を望んでいるのであれば、それは私が出る幕ではないのですが、

 もしも、パートナーを望むのであれば

 そういう本能で恋をするのではなく、

 人柄で恋をする事にもオープンになってみることをお勧めします。』

『うん?どういうことでしょうか?』

『なんの期待もせずに色々な男の人とお話をしてみてください。

 私自身がこれは、学んだことなんですけど、

 本能、つまり自分のタイプの人に恋をすると、

女性ってその人に好かれようと思って自分の悪い部分をできる限り隠そうとする傾向があるんです。

 だから自分の好みのタイプとだけ話すというのは、

 自分のある一定の部分で良い所しか見せようとしないんです。

 で、後から自分の全部を好きになってくれない、

 なんて文句が出てきたりする事もあるんですよ。

 男性としてみれば、初めの契約書にサインした内容と違うって言う感覚になると思うんですけど。

 えっと話を元に戻すと、

 本能で良いって人って他の女性もいいなと思う男性なので、

 30代や40代の年齢になってくると、そうそういないんですよね。

そこで、好みのタイプは脇に置いて、

出会った男性に相手はどんな人なのかな?という感覚でお話をすると

相手に嫌われようが関係がないので、「私はこういう人間です」って自分の本当のところをお伝えすることができると思います。

そうやって本当のところを見せて、そこが合う方と一緒になると

きっと今後の人生がもっともっと相手を知りたいっていう感覚で楽しいと思うんです。

男性って、可愛さとかよりも、リアルさの方に興味を持ちますから。

で、自分の深い部分や天然な部分を見せて合えばいいし、合わなかったら、

初めから本能的に疼く人ではないので、合わなかったな、

では、さいならって、終わればいいんです。

実際、

私自身、今の旦那さんと初めて会った時は、”絶対にないな”って思っていたんですよ。

話してみて、恋人になるのか、お友達になるのか、顔見知りになるのか、金輪際合わない人になるのか、わからないけど、まあ、まずは話してみようかって思って。

そしたら、深いところを話せる人だったので、

今、彼に対しての隠し事は一切ないですし

色々なことを話せますし、楽ですよ。

本能でこの人いい!!っていう感じで結婚したかった20代は、失いましたけど、

色々な経験をそれぞれが経た20代の上で、今の旦那さんと繋がっていることは

もっと楽しくて楽です。』

『はぁ。

 私は天然の部分を隠さないとと思って前のおつきあいの方と一緒にいましたが

 しんどかったです。

 そんな私はリアルじゃなかったから、

 きっと彼は私のことがつまらなくなったのもあるのかもしれませんね。』

本能で選ぶ20代の頃の男性もいい。

いろいろ経て、自分の本音をうち明かして話し合える男性もいい。

ただ、女性は耳で恋をするから、相手が話していて興味深い人だったら、

そこから始まる恋って何歳になってもあるんだ。

となると、素敵な男性は周りにたくさんいるんだと、私は信じています。

モノクロから虹色へ

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