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セミフォーマルとは

次女の日本語学校入園式がありました。


先週、学校から「洋服はセミフォーマルで」と書かれてある一文を読んで、石化して固まった私。


セミフォーマルってなんですのん。


セミフォーマル

セミフォーマル

セミフォーマル


まあ、なんか、ちょっとかしこまった格好ってことよね。


って思うけど、ここはカリフォルニア。


母の言葉を借りていうなら、ペラッペラの薄い洋服で十分な気候。


日本のようなかしこまったお洋服を買ったって、きっとこの一度きりだろうな

という貧乏マインドも出てくる。


そんな靴もないし。


そう思いながら、あっという間に1週間が過ぎて、入園式が来てしまった。


朝、次女に

「今日から、あなたもお姉ちゃんと同じ学校デビューよ。ヒューヒュー(一人で盛り上げる)」


ということで、

「かっこいい洋服を選んでちょうだい。」



そう言った私。



まあ、日本から親友が送ってくれた日本のものを着ておけば間違いはないだろうと算段を踏んで

一階のキッチンで朝ごはんを作っていると


「マミー見て!かっこいい服選んだ!」と降りてきた次女がこちら。








ウソーン。


ウソーン。


ウソーン。



「あ、えっと、かっこいいわ。その上でね、学校からセミフォーマルって言われたんだけど」


というと


「セミフォーマルってなに?」


と3歳児に聞かれて、


「なんだろうね。。。。」


と喉を詰まらせる40代女性の私。



そんな私も、

なんかブラウスとスカート、一応フォーマルっぽいけど

合わせたら、私の昔の高校時代の音楽の女性の教師みたいな格好をしている。


アンドリューにこれ、セミフォーマル?って聞いたら

あんなにお喋りの彼が返答に詰まっていたほど。


ですよね。

私も変だと思うけど、これしかないんだもん。

セミフォーマルってなんだろう。。。



そして、カウチの上をジャンプして飛び回りながら、スパイダーウーマンになってる次女。


やばいぞ。


こんなセミフォーマルがわからん私でも、

このスパイダーウーマンの格好はセミフォーマルの類じゃないことは、なんとなく分かる。



ダメと言ったら、おそらく喧嘩になる。

泣き始める。

無駄な時間が30分ぐらいかかる。

今の時間は出発まであと45分。

30分のロスは大きすぎる。


他の方法はないか。


とりあえず、放っておくか。現実逃避に走る私。


そう考えると、制服って楽だよね。

制服着てれば、冠婚葬祭全部いけるじゃんね。


とぶつぶつ言いながら、朝のお味噌汁のお豆腐をきる。



目の端でスパイダーウーマンがはしゃいでる。


みんなに見せるのだという意気込みを感じる。


きっと彼女にとって入園式、しかも、日本の入園式のセミフォーマルは、ハロウィンぐらいの勢いなんだろう。


このまま、これで行くか。


いや、待てよ。

多分全員集合写真があるに違いない。


あそこのお子さん、やばくない?と一気に見られるだろうか。


いや、そんな人の目はどうでもいいじゃないか。


いや、待てよ。

その写真を20年後に見て、「うちの親は常識を知らない親です」ってセラピーに通ってたらどうしよう。


いや、その時にはもうIHをやってもらうか。


いや、ちょっと待て。

スパイダーウーマンで登場もありなんじゃないか。なんでも多様性って言えば、すみそうな時代の風潮だぞ。


いやいや、気を確かにもて、私!


とぐるぐるしながら、

もう一度、入園式にセミフォーマルを着ていく意義について考えてみる



その間、味噌汁はぐつぐつ煮えて、お味噌の麹菌は多分死滅していたと思う。


その味噌汁をおたまでグルグルかき混ぜながら、


やっぱり入園式って特別で、みんなでお祝いをする場所だから

その神聖な時間をみんなで着飾っていって素敵なエネルギーにしましょうねっていうことなんじゃないだろうか?


結婚式に、俺のセミフォーマルは、これですって、スーパーマンの格好で参加したら

やっぱりそれは、式の人に対してのリスペクトを欠いてるよね。


と思いながら、お味噌汁の火を消して、私は、スパイダーウーマンのところへ向かった。



「あのね、今日は、このコスチュームは学校に来て行かないことにしようと思うの。

 みんなで、大きくなったね。一緒に学ぶほど成長できたね。これから学ぼうねってお祝いをする日であって

 誰かを助ける日ではないから。


 しかもスーパーヒーローは、バレたらダメじゃんね。」


そういうと、あっさり彼女はお着替えをした。


私の形相が真剣だったからだろうか。。。。


とりあえず、スーパーヒーローから普段着のちょっとうちの家では良さげなペラペラしていない生地のものを選び

学校に向かった。


お名前を呼ばれて、「はい」と挨拶をして、入園式を迎えた。





アンドリューも日本語だけの入園式に参加をして、

「セミフォーマルって言ってたじゃんね。私とアンドリューだけじゃない?スニーカーなの」

と言って周りを見渡すと、革靴を履いてる男性陣ばかりだった。女性陣は、みんなとんがった綺麗な靴を履いていた。



「まま、おしっこ」

と言って、トイレに行って、サングラスを外して改めて自分の全身を見た時


「やべえ、セミフォーマルに頭をとらわれすぎて、化粧するの忘れた!」と気づいた私。


眉毛ないし、口紅ない。


どーすんのよ。しかも病みあがりで、顔が驚くほどげっそり、疲れている。



そして、想像した通り集合写真を舞台上で子供と親が撮りました。


出来上がりが恐ろしい。


でもね、これも私の人生の思い出。


笑顔という化粧でなんとか誤魔化した入園式。


笑顔でも隠しきれない髪の毛のボサボサ感と、滲み出てしまう疲労感と、センスのない洋服にスニーカー。


日本語いっぱい、楽しく学ぶ時間になりますように!




皆様の春も素敵なスタートになりますように。



残席6名!




モノクロから虹色へ

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