X脚のクライアントさん
ある一人の女性がピラティスをしたいとオンラインレッスンにお申し込みがありました。
実際に彼女に聞くと
坐骨神経痛が酷くて、、、、というお話をされたので
ちょっと身体を見せてくださいと
画面の前に立ってもらいました。
足がかなり捻れていました。
そして、X脚に近い状態でした。
それを指摘すると、『実は私の娘がひどいの』
そう言って、娘さんもカメラの前に立ちました。
彼女の脚を見て、すぐに
『ピラティスよりも、ヤムナボディローリング をしたいのですが、
レッスン内容を私を信じて今日、変更することは可能ですか?』
そう伝えました。
これまで15年このワークをしてきて、
大体、何が必要かはわかるようになってきました。
まずはアライメントを整えることが有効なのか、
筋肉にアプローチをすることが有効なのか。
もちろん、ピラティスでも、可能です。
ただ、私の経験上、本人がヤムナで自分の体を理解した方が断然にそのあとの
自分の体への責任の取り方が変わってくるので、
私は今回ヤムナボディローリング をお勧めしました。
予想通り、ある一つの場所にボールを置くと、
12歳の少女は泣き始めました。
あまりにも衝撃的な痛さだったのだと思います。
ボールは、できる限り空気を抜きできる限り柔らかい状態で始めました。
それでも痛いという彼女に
生理は始まっているか?と聞きました。
まだという母親に、私は少し安心をしました。
「この状態でいくと、おそらく生理痛がひどいと思います。
骨盤がとても歪んでいるので、今のうちに股関節を直しておきましょう。」
そう伝えました。
ボールが移動していくたびに、彼女は怒り出しました。
彼女の脚を撫でる母親の腕を掴み、怒りながら「触らないで!」と訴えました。
呼吸をすることすら、できないほどの痛み。
でも母親は『よくなるから今は我慢よ!』と言います。
このメンタリティを少し変えないといけないかもしれない。。。。
そう思い、彼女に話始めました。
『あなたが痛いのは凄くよくわかる。
あなたの足のアライメントを見て、この状態でとってもよく頑張ってきたと思う。
そして、このボールが今は痛いとしても、きっと助けてくれるでしょう。
でね、痛みがでたら、やめていいよ。
ただ、今日のこの痛みを覚えておいて欲しいの。
この痛みが懐かしかった日が来るから。
そして、この痛みがあった自分から、気持ちが良いと思える自分に変化した時に、
あなたは、自分の力を取り戻す事を感じるでしょう。
その方向に向かっていく、
未来への第一歩だと思って今日のこの痛みを覚えていて欲しい。
そして、その方向に一緒に呼吸と共に向かっていきましょう』
画面越しに12歳の少女を私をしっかりと見て話を聞いていました。
そして、徐々になんとかボールをローリングし終えて片方を終えた時に、彼女は言いました。
『Wow...... 』と。
『どんな違いを左右で感じるか、教えて』
そういうと、
『全く違うわ。全く違う。。。。』
そう言って右脚を終えた後の脚をお母さんに画面に移して見せてもらいました。
それがこちら。
右脚が左足のXの傾斜よりも真っ直ぐになりかけているのが見れるでしょうか??
これを見て、彼女は、自分に希望を持ったようでした。
そして、『Are you ready for the other side? 』
そういうと、彼女は先ほどの抵抗は見せずに
左側を始めました。
予想通り、凄く痛がり、感情が湧き出しているのを画面を通じてわかりました。
心の中で『がんばれ!』そう思いながら、呼吸を促しました。
彼女が『もう無理』と言った時には、
それがたった一呼吸でも『うん、もう十分だよ』
そう言って次の筋肉の場所へ進みました。
初めての時は、体も驚きますし、心だって何が起こるか準備できていないですし、
良いんです、やれただけで。
そして、最後の筋肉の部位まで来た時、彼女はボールを外してほっとしている様子でした。
そのときの写真がこちらです。
全くもっての驚きです。
やっぱり、完璧にやらなくても、良いんだと私は感じました。
アプローチするだけで良い。
そこにやってみようという気持ちだけで、十分。
カラダは私たちが思っている以上に、賢くて、繊細で、そして、反応をくれるから。
変わりたい、そう思った時に、私たちの体は変化していく。
本人が変わりたい。
そう自分と向き合うことが、私たちに変化を与える。
そのコミットメントが、私たちの世界を変える。
この写真を見た彼女は毎日私が教えたたった一つのルーティンを行いました。
クラスを終えた後に立った足の状態。
X脚が、最初の位置よりも真っ直ぐに近くなっていました。
そして、数日間、その一つのルーティンを行った後の今日のセッションの脚はこちら。
徐々にX脚が真っ直ぐになってきています。
以前はどう立っていたか覚えている?と聞くと
ええ、こんな感じだったの!と見せてくれました。
それがこちら。
そうそう、それだけ足裏が開いてしまっていたね。
そして、膝がぺったりくっついていたけど、今はちゃんと膝が開くまで移動したね!
そう言って、私たちは未来への希望に心を踊らせました。
このレッスンの後、お母さんから1通の写真が送られてきました。
『娘が痛いながらも、今日もホームワークをやっています』
と。
数日でここまでの変化。
もう少ししたら、ピラティスで今度は、この膝が過伸展になっている(膝の関節が伸び切ってしまっている)のを直すところにつなげていこうと思っています。
体の変化が心の変化を生み、
自分という存在の可能性を信じることが出来る。
そんな自分の仕事が私は大好きです。
そして、変化は素晴らしい。
この感覚が私にたくさんの希望をもたらしました。
その内容は次のブログへ
モノクロから虹色へ