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先に愛を差し出す

出産をしてから6ヶ月たった日。

朝、元気玉のように起きて動き始めた娘を挟んで、

私たちはハッピーバースデーを歌いました。

そして、またウトウトと布団の暖かさに埋もれながら、眠りに落ちていきました。

アンドリューが遠くで

「この6ヶ月は、体験して初めて分かったことばかりの連続だった。

 君の新しい母性の一面を見て、美しかったし」

と語りかける声が聞こえました。

私が見ていた世界と違うことを男性って覚えているんだなあと独り言を言いながら

夢の中で6ヶ月を振り返っていました。

赤ちゃんが生まれてから、それなりに、

家を飛び出して見たり、

なんで分かってくれないのとなじって見たり、

これをして欲しいんだけど、どうしてやってくれないの?と問い詰めて見たり

こうすればいいから、やっといて。と教育してみたり、、、

そんな風にして自分の想いを伝えて見たけど、伝わらない。

私にとっては、そんな口調のきつい自分が現れる時間があちらこちらにあった6ヶ月でした。

私がそういう口調になるのって、久しぶりでした。

アルファな女性として、キリキリしながら働いていた時の感覚にすごく似ていました。

アルファな女性は、男性性が強いので、

私がアルファになると、一家に男性が二人いると言うことになります。

男性が一家に二人いると、戦争になります。

家庭内が嫌な雰囲気になるのは、当然のこと。

そんなの分かっているけど、止められない。

私が男性性をむき出しにすればするほど、

アンドリューは、

私に反論するし

言った通りにやってくれないし、

イライラお互いにするし、、、、

そうやって、嫌味を言い始めるサイクルにはまって行った時間が流れました。

あんなに好きだったのに、一緒の部屋で呼吸もしたくないと思うほど。

家族旅行のドライブ中、山道の中で『車を止めて!』と言って車から飛び降り

赤ちゃんを抱きながら、泣いて怒りながら、誰もいない山道を家に向かって

歩き始めた事もありました。

あんなに好きだったのに、触られたくもないと思ったほど。

キングサイズのベッドに彼と私の間に仕切りとして

枕を置いた事もありました。「これ国境だから」とか言って。

あんなに好きだったのに、見たくもないと思ったほど。

だから、家の中でサングラスをして目線を合わせないようにしていました。

相手の一挙手一投足がイチイチ、癪に触る。

相手がジョークを言っても、前は笑っていたのに、今は『くだらない』と斜めに相手を見てしまう。

『やばいんだよね。。。』

と電話をして、ある友人に相談しました。

彼女は言いました。

『責任感が出てくるとね、男性性が強くなる。

 人ってね、責任感を持つと、自然とジャッジメンタルな口調になるのよ。

 女性は、母親になったら子供に対して責任感が出てくる。

 つまり男性性が強くなる。母性という女性性を持ちながらね。

 だから、自分以外の人がすることに対してイチイチ、ジャッジするのは当たり前よ。

 子供を守るためですから。

 でも、男性としては、びっくりしちゃうわよね。

 今まで女性だったエネルギーが

 子供が生まれた途端に、

 女性の顔をした男性エネルギーを持った人間が現れるわけだから。

 すると、パワー競争になってくる。マウンティングするようになってくる。

 どっちが、強いか。

 どっちが正しいか。

 どっちがリーダーか。

 そして、女性がよくやるのは、男性を馬鹿にすることなのよ。頼らないことなのよ。

 どうせ、出来ないでしょ?

 あなたに任せても、心配だからいいわよ。

 ほら、言ったじゃない。

 もういいよ、一人でやるから。本当に頼りないんだから。

 そう相手がいかに無能かと伝えることが一番、男性には効果があるからね。』

そんな風に教えてくれる友達の言葉を聴きながら、

私が通っていたセラピストのドクターパッドに宣誓させられたのを思い出しました。

『私、女性は、男性に、

 teach(教えたり),

 preach(説教したり),

 nagging(ぶつくさ文句を言ったり),

 bitching(悪口を言ったり),

 しないことを誓います。

それ以外のコミュニケーション方法で男性と関わっていきます。』

と。

あー全部してるなあ。

それ以外のコミュニケーション方法ってなんですか??っていう。

そりゃ、私たち、うまく行くはずがない。

陰陽のエネルギーがうまく回っていない状態だー。

友人に電話口で言いました。

『どうしよう、ジュリー』(←沢田研二ではない)

『いずみは、本当はアンドリューに何をして欲しいの?』

『うーん、、、、、わからない。理解して欲しいかも。。。。』

『そう、じゃあ、あなたが先に相手を理解しなさい。』

『私が?』

『あなたが愛を欲しかったら、先に愛を差し出しなさい。

 愛をくれないからと、ずっと相手が愛をくれるまで、

 ふてくされて、そういう態度を取ることが得策だと思う?』

『ふむ。』

ブスっとしながらも、核心を突いてくるジュリーにゾックゾクとしました。

『そうね、ふてくされるって、犠牲者意識強いね。

 わかった、ジュリー(←なんどもいうが沢田研二ではない)』

そう答えた私は、『男性』という生き物を理解することを始めました。

そして、色々な文献を夜中の授乳中に読みました。

私にとって毎晩2時間おきの勉強時間。

そんな風にして、少しずつ少しずつ理解して、ぶつかりながらも実践してきた6ヶ月。

私たちは、少しずつ以前よりももっと深くお互いを思い合えるところに戻ってきました。

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『あなたね、母親業がどんなに大変か分かっていませんよね?

 僕が何かできることはあるかい?と、あなた奥さんに聞きもしないで、

 自分が欲しいもの(H)だけを求めてくるのってワガママだと思いませんか?』

そんな風に奥さんのために旦那さんに伝えているセラピストさんがいました。

女性は大変なんだ。

男性は何も分かっていない。

ちょっとはあなたの方から奥さんを労ってあげたらどうなの?と。

そう言いたくなる気持ちもすごくわかる。

ただ、、、、、

それって、誰も得をしないコミュニケーション。

こっちが正しくて、あっちが間違っているというコミュニケーション。

それって子どもの遊び場で

『〇〇ちゃんがこんな事をするから、〇〇ちゃんが泣いているじゃん。』

と誰かを悪者にするコミュニケーションにすごく似ているから

私は別の方法を取ろうと思いました。

いじめってどこから始まるんだろうと言う疑問に

私は夫婦間の会話の仕方から始まるのかもしれないと言う私の仮説。

愛するとは、自分の枠を脇に置いて、相手を理解するということ。

もっともっと愛のエネルギーが回るコミュニケーション方法があるはずだと信じて、

勉強と実践が始まった6ヶ月。

そして、こんなにも男女で考え方や物の見方や行動が違うのか?!と驚き、

そりゃ、ぶつかるはずだわと納得した6ヶ月でした。

モノクロから虹色へ

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