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デカパイ


(イラストは叶姉妹をGoogle検索して見つけたこちらの方からお借りました。)

妊娠が分かって私の体に一番の変化が起きたのはつわりと同時に起きたデカパイ。

そんなに早くおっぱいが大きくなるもの?って母には言われるけど

待ちきれんばかりの私の身体はすくすくとデカパイを作り上げていくのです。

鏡の前で素っ裸になっての1人叶姉妹ごっこは、朝の儀式に近くなっていきました。

『あら、ミカさん。』と乳首だけを隠して、流し目で話してみる。

そんな事をしていると、ふと思い出した過去の記憶。

私の幼なじみに、他の子よりも早くおっぱいが発達した子がいました。

小学校に入ったばかり、私は年上の彼女とお友達になりました。

彼女のお家に行くと、おばあちゃんがいつもお茶とお菓子を出してくれました。

私の母は一日50円分のお菓子をくれる事が日課でそれ以上になる事はなかった為

私の砂糖補給は彼女の家で行われる事が多かったです。

漢字帳を持って、彼女と一緒に『月』と言う感じを何度も何度も畳の部屋で書いたのを覚えています。

小学生の時にチャリンコで彼女の家に行くのは楽しみだでした。

彼女のおばさん(母)とおじさん(父)は、夜のニオイが凄くする方でした。

多分、お母さんは他のアジアの国の人だったと思います。

おじさんは頭にパンチパーマをしていました。

子供ながらに、酒のニオイを昼間からする人で、

クサくてあまり関わりたくはなかったのを覚えていて。

そんな彼女が小学校4年生になって、まだまだペチャパイ真っ盛りの私とは正反対に

おっぱいが大きく発達をしていました。

その頃の身体検査は、パンツ一枚で教室から保育室まで歩かされるのが普通で

彼女は胸を隠しながら歩いていた姿が、幼い私には珍しくて今でも鮮明に覚えています。。

私は、教室の中から、彼女が廊下を歩いている姿を見て

その隠している姿に、今までしらなかった『メス』っぽさを感じたのを覚えています。

『生理っていのになったんだって。そうするとおっぱいって大きくなるんだって』

そう言う噂を聞いて初めて、女の子は血が出る時期が来るのだと知ったほどでした。

ミニバスに入った私は、放課後にバスケットの練習をする毎日になり、

彼女の家に漢字帳をもって行く事はなくなって次第に疎遠になっていきました。

中学生になってからも、彼女の女性としての発達は明らかでした。

生理が来るのが遅買った私にとって、ドンドンと女性のカラダになっていく彼女を

たまに廊下で見かける事がありました。

ある昼休みの日、彼女が4人位の男の子に囲まれて倉庫室に入っていくのをみかけました。

なんとなく、夜のニオイがしました。

4人の男子生徒の性欲が止まらない感覚が遠くの階段の廊下にいる私に伝わって来て。

そして、それに対して抵抗出来ない彼女の弱さも伝わって来て。。。。

思春期と言う、”自分はこの社会の中でどんな存在なのか”という定義を

周りにつけられる無防備な環境。

もしくは、自分で模索し始める時期。

他人が自分のどんな所に目を向けてくれるのかに敏感になっている時期。

エストロゲンが分泌している私達は、『他人にどう見られているんだろうか?』

と言う事に意識が向いて仕方が無い時期です。

カオがかわいい子は、きっとカオを勝負に出して来るし。

性格がいいと言われている子は、性格の良さを全面に出して来るし。

勉強ができる子は、勉強で自分の存在意義を示して来るし。

スポーツが出来る子は、スポーツの成績で自分の素晴らしさを表現して来る。

そして、

彼女は『メスらしい』部分が自分が人の気を引く一番の武器だと理解したようでした。

だから、彼女の私服も制服の着方も、胸やお尻を強調する物が多かったのを覚えています。

私も真似して赤色のリップクリームを口に塗ってみたけど、

顔と唇がちぐはぐで、それをみた母親に『あんた、色気付いて、なにやってんの』

と言われた一言で、私の思春期の色めく外見作りは

恥ずかしさで一旦停止になりました。

さあ、そうやってみんなが社会での存在意義を見つけている一方で

私は、何も持っていませんでした。

カオが可愛い訳でも、性格がよい訳でも、勉強がとび抜けてできる訳でも、

スポーツがずば抜けて出来る訳でもなかったです。

ましてや、メスらしさなんて、もってのほか。

だから、焦りました。

言ってみれば、勝負服の無いキャバクラ嬢のような心情。

そんな私が出来る事は、『フリ』をする事でした。

性格がいいフリ←すぐにぼろが出る

勉強が出来るフリ←そこそこでしかない

スポーツが出来るフリ←ギリギリレギュラー

フリというのは、いわゆる「ウソ」です。

嘘をつき続ける事です。

だから思春期はしんどかった。

一方で、倉庫室に昼休みに消えていく彼女に武器はありました。

それでも、他人に迎合した武器なので、彼女は幸せそうでは無かった気がします。

人の気は引ける武器である反面、自分の幸せにはつながっていないような。

だって、ある日彼女、倉庫室から出てきて泣いていたから。

『大丈夫?』って聞いたら

『いっちゃんには分からないよ』って制服の前ボタンを閉めながら出ていった彼女。

そして、丸腰の私も、幸せではなかったです。

迎合する武器を持っているフリをし続けていたから。

大人になってからもずっと、出来るフリをし続けてしんどかったのを思い出しました。

でも、カラダがボロボロになって、たくさんのヒーリングを学んで、最終的に

インテグレイティッドヒーリング(IH)に出会った私は、丸腰でも良い事に気付きました。

あら、丸腰が一番楽だわってことに。

そこに気付いて、ようやく自分が幸せを感じる環境にいる今、

鏡の前でデカパイを眺めながら

あの彼女は武器を手放して、いまは、自分の本当の幸せにいるだろうか?

それとも、他人に迎合した自分を本当の自分として今も生き続けているのだろうか?

そんな風に叶姉妹ごっこをしながら、思った朝でした。

モノクロから虹色へ

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