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ゲロを吐く父


今月は父の誕生日がありました。

80歳になった父。

彼が大分年齢を重ねてから私は生まれました。

だから兄とは12歳の年齢差があります。

父は私にとって大好きで仕方ない尊敬すべき存在です。

そんな父に沢山のプレゼントを贈って、当日に電話をしました。

すると母が出て、

「今日はね、誕生日って言っても、どっこも行かないのよ。 

 土曜日にお父さんがゲロをしたのよ。

 もうさ、こたつでしたから、こたつからトイレまでゲロ道よ。

 まったくもう。

 で、まだ気持ちが悪いって言うから、今日は家で安静にしているのよ」

ビックリする私。

大好きな父にそんな事があっては困るのです。

だから、大丈夫なの???と聞くと

『ちょっとお父さんにかわるね』と。

『はいはい、ハッピーバースデーのお父さんですよ。』と呑気に出る父。

『大丈夫?』って聞くと、

『いやーなんかこの間ご飯を食べたら、胸の当たりがノトノトしたんだよ。

 で、何だろうなーって思っていたら気持ち悪くなって来てね』

するとBGMで母親が『食べ過ぎたのよ!』と言う。

私は父の声に集中をしながら『で?』と聞くと

『そしたら、出て来ちゃったんだよ。でもトイレまで間に合わなかったんだな〜』

だって。

『そっか、で、異常はないのね?』

と聞くと、

『愛情たっぷりのご飯を食べたら、

 お母さんの愛情が僕の口からこぼれでちゃったんだよ。』

だって。

このおっさん、どこまでたっても、おもしろい。

一応来週には、検査をするという事で大丈夫な事を祈るばかり。

そう言えば、いつも私が心配そうなカオをすると大丈夫だっていって

何かに例えて笑わせてくれていたっけ。

だから、父といれば絶対に大丈夫だって安心してた。

なにか暗闇に見えたとしても、彼が大丈夫だって言ったら大丈夫だって気がする。

どんな状況になっても、Life is Beautiful と教えてくれたのは

まぎれも無くこの大好きな父。

長生きしてね。私が死ぬまで。

モノクロから虹色へ

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