ある一人の少女の話 2

前回の続き(前回はこちら)
インナーチャイルド。
それを癒して欲しいとカラダが反応した時に少し私は動揺しました。
『彼女自身、ご両親健在だしな。。。』
そう感じながらも、彼女に『インナーチャイルドのワークが出て来たのですが』
そう御伝えすると、彼女の中で『あぁ』と何か感じたようでした。
『妹が2歳の時に生まれました。
本当はお母さんに甘えたかったんです。お母さんを取られて淋しかったのかな。』
そう淡々と話す彼女。
でも、その奥にもう一つの枠がある感じでした。
きっと聡明な彼女だったら、見つけるだろう。
そう信じて待っていた次の瞬間に彼女の中で何かの憑き物が落ちた様に、
『実は、パパが、、、パパが、ママを取られて、すごく淋しそうだったから。』
そう女の子が原因を一生懸命に話すかの様にお話をし始めました。
『パパ、私にママを取られて、妹が出来てもっとママがパパを相手に出来なくなって、
凄く淋しそうで。すごくイライラして。
パパの顔色をいつも伺っていたの。
パパがいつ機嫌が悪くなるか分からなかったから、怖かったの。
いつも先回りして、パパの機嫌が悪くならない様に、私はいつも行動していた。
ママに怒鳴るのを止めて欲しい。ママに怒るのを止めて欲しい。
ママにパパが怒った時、ママ凄く、悲しそうな顔をしていたから。』
『そっか、では、○○ちゃんは、自分のパパがママに怒ったり機嫌が悪くなったりするのをどうにかしなくちゃって、自分のしたい事を脇に置いて、
ずっと顔色を伺って生きて来たんだね。
それが、今の大人になっても出てくるんだね。』
2歳にして、先回りをして全てがスムーズに行く様に取りはからおうとするなんて、
大人の彼女の頭の回転が素早いわけだ。
『パパが怖かったんだよね』
そう私がもうひと言付け加えると、
『でも、でも、私がそんな事を言ったらパパも可哀想だ!!!!
パパの事を、大好きだもん。そんな事を言ったら、パパが悪者になっちゃう!!!』
そう言って、ワンワンと泣き始めました。
”誰かを悪者にしたくない。”
だから、
”自分の感情を無視した”。
そのパターンが彼女の中で定着したのです。
親の事について向き合うのは、育ててくれた感謝や愛によって、
そこで形成されてしまった不必要な癖というものが見えなくなってしまう場合があります。
でも、癖と愛を別にして、自分を見て行く事がヒーリングで必要な時もあります。
彼女の場合は、
自分が我慢すれば良い。誰かが悪者になる位なら自分の感情を抑えて
周りがスムーズにまわる方を選ぶ。
Feeling をなかった事にしてDoing に支配された公式です。
そうやって生きて来た彼女の優しさに隠れた感情が
一気に堰を切ったよう流れ始めました。
一人の少女が、一生懸命に秘密にしていた事をようやく打ち明かしたかの様に
涙をボタボタと大きな瞳から流しながら、