3歳児への性教育
(*学校の一コマ。ミツバチについて、学んでいる)
サンディエゴのいろんな外の公園なり海なりハイキングなりと
毎週違う場所が学校となる。
「自然」を教育に取り入れると言う意識のもと、
元小学校教師の女性がこの学校を作ったと聞いた。
毎日、長女は元気よく学校に行っている。
そして、毎日、何かしらのアートを持って帰ってくる。
それが粘土の時もあれば、拾った枝を組み合わせたものの時もある。
そして、毎日先生達が写真と共に学校でその日に行ったことを
シェアしてくれる。
携帯のグループチャットにそれが送られてくるのだ。
それを各家庭の親が見ている仕組み。
だから、学校に娘をおろしに行くと、
知らない母親が「ああ!おはよう!」とうちの娘の名前を読んで挨拶をしてくれる。
娘が学校に入った時には、大きなお姉さん達(4歳から7歳)が
娘のところにきて、自分の名前を教えてくれた。
本当はこの学校は4歳からと言うことだが、
うちは3歳で入れてもらった。
だから毎日、いろんな年齢の年上のお姉さんお兄さんから学んで帰ってくる。
私が教えないであろう歌や絵本の内容を家で歌ったり話すのを聞くと
社会に出るとは大切なことだなあとしみじみ感じる。
そんな毎日のこと、
いつものように、ポランと携帯の音が鳴った。
子供達が騒いでいる間にサラッと写真を見る。
え?
え?え?
え?え?ええー???
指で拡大をしてみた。
そこにはうちの娘が5歳ぐらいの男の子に抱きしめられている写真だった。
心がざわついた。
まあ、一瞬そんな時があったのかもしれない。
そう思って次の写真に行くと、また二人が抱き合っている写真がある。
ふむ。。。。
これ、アンドリュー見て、平常心でいられるかしら?
アンドリューに言うと、
「親同士の話し合いが必要だ。すぐに相手方に連絡をしよう」
と冗談まじりに言っていた。
二人の間で、まあ様子を見るかと言う話で落ち着いた。
翌日担任の先生に、
「えっと、昨日、写真を見たんですけど、、、何があったんでしょうヵ?」
と聞くと
「あああーとっても可愛いわよねー」との答え。
「あの男の子、とってもおたくの娘さんをNurturing してて」
と言う。
Nurturingねえ。。。。
そして、
「えっと、まさかと思うんですけど、二人で草むらの裏に隠れて行かないように見張っておいてください。」
と冗談まじりに伝えた。
そして、今週。
迎えに行くと、子供達の群れの中にうちの娘がいない。
あれ?どこだ?と公園の隅から隅までみた。
そうすると、荷物を置いてあるテーブルの裏に見覚えのある長靴が動いていた。
あそこで寝ている??
そう思い、近づくと、
例の男の子と横たわって抱きしめあっていた。
内心、ええええエエエエーーーーー!!!と叫ぶ。
その必死の叫び声を深呼吸に変えて、
「おーい、帰るぞー」と平常心で言った。
娘の起き上がった顔。
何だかほっぺが赤くなっている。
明らかに楽しんでいる様子だ。
近くにいた先生に言った。
「ちょっとどう言うことでしょうか?」
すると
「そうなのよーラスト45分ぐらい、あんな感じでね。
なんか疲れちゃったみたいで、今日よくはしゃいで遊んでいたから、エネルギー切れって感じで
娘さんが寝ていたら、あの男の子がきて膝枕をしてくれて、髪の毛を撫でてくれてね。」
その後、
「スイートよねえええ」
と言った。
スイート。
スイート。
スイート。
私は内心、とっても居心地が悪かった。
「やめなさい!」と言いたい気持ちもあった。
彼のお母さんに会ったことがあるけど、とっても素敵な女性だ。
だから、変なことはないにしても、なんなんだ、この違和感は!
胃のなかがグルグルしながら、私は娘と男の子がジャレ合っているのを平常心フェースで眺めた。
娘のほっぽらかした荷物を片付けながら、
湧き上がってくる変な感じを身体中で感じた。
普段は、こんなにほっぽらかさない。
全てがちゃんとバッグに入ってるのに。
いろんな声が頭の中をこだます。
(男に気持ち奪われて何もできないふしだらな女)
(色目をつかう女)
(骨抜きになった使い物にならない女)
(男に魂を抜かれてけだるそうに自分の人生を放棄した女)
すると、その男の子が私が片付けている荷物のところへやってきた。
娘は私の膝に無邪気に乗った。
「ねえ、私はこの子のママです。いずみって言うの。はじめまして。
今日は、うちの娘をnurturingしてくれてありがとう。」
そう言った。
彼に対して威嚇の気持ちがあったか?
うーん、15%ぐらい。
でも、どこかで、人を好きになるって素敵なことだと言う理性も働いている。
いや、こう言う公衆の面前では、その理性が大いに働いている。
この威嚇は、彼に対してではない。
娘を守りたい私の母としての気持ち。
でも、この母としての気持ちは、母だから出てくるもんじゃない。
私の古傷が疼いて、その傷が娘につくのを守りたいと言う気持ちから起きている。
そこまでは自分で分かったが、処理をするのはアンドリューが帰ってきてからと
心の蓋にしまった。
さて、帰宅後、私の脳裏には娘の赤ら顔で男の子の腕から起き上がる姿がずっとチラついていた。
明らかに、あのうっとりした乙女の表情に、私の何かは刺激をされている。
早くアンドリュー帰ってきて。そう思いながらお米を研いだ。
アンドリューが帰ってきた時には私たちの夕ご飯は食べ終わり、
子供達はお風呂前の遊んでいる状態だった。
いつもなら、食器を洗ったり片付けたりするのだが、
私はアンドリューに「ちょっと長女の学校について話があるんだけど」と言った。
その表情に彼はダイニングテーブルにすぐに座った。
「あの抱っこしてた金髪のかっこいい男の子のこと、覚えてる?」
「ああ、何か進展があったのか?」
「実はさ」
と、今日の私が目撃した情報を垂れ流した。
「でね」
アンドリューが何かを言う前に
「私は、すごく素敵なことだと思うのよ。誰かを好きになるってさ。
しかも、あの子のLove Languageはタッチだから、
きっと、イヤラシイことをしていると言うよりも、タッチしてもらって
安心して嬉しいって言う気持ちの方が大きいような気がする。」
と、言う私に
「で、何が君の中で起きているの?」
と核心をついてきた。
待ってました!よく分かっているやないのー、旦那!
とばかりに
「いやー私、ちょっとずっと気持ち悪くてね。
彼女のあのポッとした顔とか、緩んでいく感じとか、デレデレする感じとか、
なんかね、みんなの前であれを見せていいのかなって。」
「でも、学校のお友達、みんな仲良くしてくれるじゃないか」
「それよ、それ。
そう!そこなの!
もしもさ、この男の子と仲良くするって言うことを嫌だって思う女の子がいて、
その子に無視されたり、嫌なことを言われたらどうするの?
もううちの子のLove Languageがシャットオフされちゃうじゃない?
そう、それだ、それ。
周りの子に自分の大事な感覚を奪われるのが私は怖いんだ。
娘が無邪気に男の子のことを好きって言うことを誰かにジャッジされることが怖いんだわ。」
「確かに。
俺もさ、本当はそうやって誰かに触れることで、エキサイティングすることは
celebrateすべきことだろう。
それをCelebrate ではなく、Shameにされるのが怖いってことだよな。
俺もあるよ。身体中に電気が走るような衝撃だったのに、それをいろんな言葉で揶揄されて、混乱したもんな。」
もうロックンロールなみに首を縦に振りながら
「どうする???って言うか、あなただったら、その時の自分になんて声をかけてあげる?」
「そうだな、説明するかな。」
と話しているところに、長女が笑いながらやってきた。
「ちょっとおいで」
そう言うアンドリューの膝にちょこんと座った。
アンドリューは彼女に聞いた。
「今日は、K君といい時間を過ごしたかい?」
「うん!疲れていた時、ハグしてくれた!」
「そうか、それってとてもBeautiful なことだな。」
「温かかったよ」
「人のハグって温かいよな。」
「今日ね、K君がいっぱいハグしてくれたから、唇が赤くなっちゃった」
そう言った時、アンドリューが私の顔を見て、
「おい!ちょっと待て!」と言いたそうにしたが
私は即座に、
「唇は、トマトソースの食べ過ぎよね」
と横槍を入れ食い止めた。
学校から学んだことは、工作や勉強だけじゃない。
人間関係も学んでくる。性についても学んでくる。
家に帰ってきた時に、初潮が始まった時にCelebrateとするように
誰かと手を繋いだ時、誰かとキスをした時、誰かと交わった時、
素晴らしいことだと、娘をCelebrateしてあげたい。
そのためにも、私の中に残像として残っている
娘のうっとりとした表情に対するザワザワ感をワークすべきだと感じた夜。
(男に気持ち奪われて何もできないふしだらな女)
(色目をつかう女)
(骨抜きになった使い物にならない女)
(男に魂を抜かれてけだるそうに自分の人生を放棄した女)
一体この声の正体は、なんなのだ?
一つだけ知っている。
自分の中で、こう言う女にならないようにしようと深くきめた今の自分があることを。
自分と向き合う。
自分と向き合う。
向き合いたくねー
でも、性を心からCelebrateする未来を次の世代に託すために
私が癒されることが大事。
そう思って、、、思って、、、思っただけで、寝ちゃった。
いつかきっと、ここでワークする!と言う日が来るから。
その日までこの違和感を感じ続ける。嫌だけど。でも向き合うのも同じぐらい嫌。
(*こちらへ続く)
モノクロから虹色へ
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